新興国に駐在するということ|海外駐在のちょっとした苦労話をしよう(南アフリカ#2)

南アフリカ
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こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

本記事は、記事【新興国に駐在するということ】海外駐在のちょっとした苦労話をしよう(南アフリカでの体験談)の第2弾、「車がロックされた編」です。

前回の記事のあらすじ
僕は現在、南アフリカでホテルアパートに住んでいます。
ホテルアパートなのに、家賃の自動引き落としシステムがなく、なぜか毎月ホテルのレセプションに支払いに行かなければならないという不便を抱えています。
ある月の家賃支払いの際、レセプションの担当者に「家賃の支払いをしたい」と告げたところ、3回連続で「あなたの家賃額を分かる人がいない。担当者に伝えておくから後で来てくれ」と言われる。
これだけでストレスという精神的負荷はなかなかのものですが、このやりとりが原因で支払いが1日遅延し、結果カードキーをロックされ、家に入れなくなりました。
温厚な僕も腹が立ちレセプションにクレームに行ったら、逆ギレされたという話でした。

今回は、車がロックされた編をお届けします。

新興国に駐在するということ|海外駐在のちょっとした苦労話をしよう(南アフリカ#2)

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序章|ドンピシャのホテルアパートメントに入居


筆者撮影。家からの景色。

前も紹介しましたが、僕は現在、日系企業の駐在員として南アフリカに住んでいます。

過去、ドバイ・サウジ・エジプト・米国と駐在していきましたが、可能な限りはホテルアパートメントに住むことにしています。

参考:ホテルアパートメントとは?
客室の内部にキッチンがあり、冷蔵庫などの家電製品が設置されている宿泊施設のことを指します。
一般的に、数週間から数ヶ月単位での契約が多く、ホテルに長期滞在するよりも割安です。また、キッチンを利用して自炊することが可能なのもアパートメントホテルの特徴です。
参考:おもてなしHRより一部抜粋

僕のホテルアパートメントでは、掃除や食器洗い、タオルの交換までしくれるため、当時働きながらMBA取得に向けて勉学に励んでいた僕には、とても助かるサービスでした。

今回は、内装・サービス・オフィスまでの距離、全てパーフェクトなホテルアパートメントでの出来事です。

今回ご紹介する話は、他の海外駐在員からも同様の話を聞くことが出来ます!

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1章|既にフラグは立っていた


筆者撮影。駐車スペースとエレベータが目と鼻の先。

僕の住んでいるパーフェクトなホテルアパートメントでは、1人ずつ駐車スペースが割り当てられます。

会社との契約という事で、僕は出口・エレベータから近い、恐らく最も便利な駐車スペースを2つ、割り当ててもらいました。

駐車スペースはあなた専用だけど、ホテル宿泊客や他の人が勝手に止めてしまうケースがあるから、カラーコーンを置いておいてね。

「ホテル宿泊者とアパートメントの駐車場分けて、かつきんちんとアパートメント居住者に駐車スペース割り当てないと、誰か停めちゃうよね?」という疑問をぶつけるような野暮な真似はしません。

柔軟な思考の持ち主である僕は、笑顔で「Sure! Thank you!」と言って立ち去ります。


少し哀愁が漂う、小さく頼りないカラーコーン。今後の起こる出来事を暗示しているようだ。

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2章|やっぱり誰かが駐車し始める

予想通り、当然ともいうべきか、便利な場所にある僕の駐車スペースに停める人が出てきました。

住み始めて数カ月は月に1~2回程度でしたが、レセプションに毎回クレームを入れ、ドライバーの方に「ここに停めてもいいんだ」と思わせないようにしました。

ただある時から、週5-6回のペースで僕の割り当てられた駐車スペース1つに駐車するツワモノがでてきました。

さすがに週5-6日駐車した時点で、レセプションに強めのクレームを入れ、僕が仕事に行っている間にカラーコーンをきちんと置いてもらう・車の当事者にWarning Letterを出すなど、対応をお願いしました。

その後はこんな流れでした。

・誰かが週4~5日、僕の駐車場に停める
・レセプションにクレーム
・1-2週間は落ち着く
・再度、別の車が週4~5日のペースで駐車

それはそうですよね。

便利なとこに駐車スペースがあって、誰も停めていなければ、僕だってそこに駐車します。

カラーコーンも、毎日僕が仕事前に置くのも手間・面倒なので、ホテル側にキチンと置いてもらうように依頼。

そうすると、置いてたり置いてなかったり。

クレームと共に、抜本的な解決を依頼するも、一向に改善する気配はありませんでした。

3章|とうとう駐車スペースが2つ占領される

そんな生活を1~2カ月ほど続けていると、とうとう僕の駐車スペースが2つとも占領されている状況に出くわしました。

1台は、クレームを入れてもずっと僕のスペースに駐車し続けるFord Eco-Sports、もう1台は新入りです。

その日は、自分の駐車スペースに停められなかったので、いつも誰も停めていない駐車スペースに車を駐車せざるを得ませんでした

その日は金曜であるということ、何も改善しないレセプションにクレームするのも疲れストレスも溜まっていたので、そのまま部屋に戻り、土曜の朝に再度クレームを入れることにしました。

4章|えっ、なんで・・・?

土曜日、気持ちの良い春晴れです。

良く寝て心機一転、レセプションにクレームする元気も戻ったので、先ずは現状の確認をしに駐車場へ向かいました。

するとそこに待っていたのは・・・

タイヤロックと注意の張り紙。

注意の張り紙(意訳)
あなたは、他人の駐車スペースに勝手に駐車しており、迷惑している人がいます。
ただちにレセプションに来たれり。

「え???????????」

本当に?

あれだけ何カ月にも亘ってクレームして何も改善しなかったのに、なんで今日だけ・僕にだけこんなに厳格なの?

5章|実は試合にも勝負にも負けていた

さすがに、心のどこかで納得がいかない僕は、鼻息を荒くしレセプションに向かいました。

そして当然、このロックは不当なものとして、即解除を要望する。

あれだけ頻繁にレセプションにクレームを入れていたので、理解を示すだけでなく、謝ってくれるのではないかとすら期待しましたが、見通しが甘すぎました。

そうですか。過去のことはよくわかりませんが、支払いをして頂かないと、ロック解除できません。

いやいや、ルールってなんですか。いつ、だれが、どこでそんなルールを決めて、僕に通知してくれましたか?ちゃんと書面で見せてもらわないと納得しませんよ。

ゴソゴソ・・・

ほら、契約書のここに書いてあるよ。あなたのサインもありますよ。

赤ペンでハイライトされていたその一文には、「割り当てられた駐車スペース以外に駐車したら、車両をロックした上で、ZAR500の罰金とする」と書いてあった。

今まで、賃貸契約書を探すのに信じられないくらいの時間がかかっていたのに、何でこんな時だけ優秀で緻密なの?

ということで、あなたの過去の駐車スペースの話は知らないけど、勝手に人のスペースに駐車したんだから支払ってください。

・・・

結局、僕は試合にも勝負にも負けて、ZAR500を支払うしかありませんでした。

約4,000円(ZAR 500)の支払いをここまで躊躇したのは、エジプトにて、タクシーの運転手と5円を巡って激しい喧嘩をしたとき以来です。

前回の記事で紹介した「家賃支払い事件」と同じですが、彼らが「担当者に伝えておく」「マネージャーに伝える」と言うと、担当者やマネージャーには何も伝わっていないと考えて間違いありません。

終章|そして誰も駐車しなくなった

恐らく、僕がタイヤロックの犠牲者第1号で、それ以降に僕の駐車場に停める車に対しては、レセプションに具体的な指示を出すことにしました。

僕の駐車スペースに車が停まっているから、今すぐロックしてもらえるかな?IMASUGU!!!

この強硬策が施行されてからは、僕の駐車スペースに停める人が一切いなくなりました。

恐らく、ホテルアパートメント内で「あそこに駐車したら一瞬でロックされる」という噂でも立ったのでしょう。笑

ZAR 500の支払いは不服でしたが、結果、駐車するたびにストレスを溜める必要がなくなったので良しとしましょう。

そしてまた1つ学んだ

時と状況にもよりますが、南アフリカで、誰かに何かを動いてほしい時は、「Imasuguやってください!」と伝えるようにしましょう。

Imasuguは冗談ですが、”Could do it right now?”といればオーケーです。

時間と余裕があれば、彼らがこちらの要望を実行するまで見届けると良いでしょう。

そしてもう1つ、指示は具体的に出す事だ。

仕事にも通ずるところがありますが、海外では基本「他人が車を駐車しないように、なんとかして」だけで、自分の期待通り成果が出てくることは先ずあり得ません。

日本はハイコンテクストの社会なので、「空気を読む」「想像力を働かせる」ことで、相手の要望しているものが何か、即座に理解できます。

万が一理解できなかった場合、指示を受けた側が、指示した人に聞くケースが極めて多いです。

一方、ローコンテクストな社会では、これくらい具体的に言う必要があります。

「今すぐ、僕の駐車場に停めている車に、ロックを書けて、持ち主の部屋にWarning Letterを届けてください。今すぐです(2回目)」

指示する側が曖昧だと、その指示や依頼が実行されないか、実行されても期待とはかけ離れた結果になるでしょう。

*注:海外駐在は大変恵まれた環境で生活しているため、不満や愚痴などは一切ありません。本記事は「日本ではなかなかできない体験談」を共有することが目的です。

記事は以上です。

この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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