【MASAのコラム】南アフリカ人と働き成果を出す方法5つ。異文化を理解しマネジメントする(実体験から)

南アフリカ
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こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

・南アフリカで初めて働くのだけど、異文化のチームをうまくマネジメントできるか不安
・南アフリカで仕事を見つけたいけどどうしたら良い?

こんな疑問に答えます。

僕は、日系のグローバル自動車メーカーの一員として、2021年4月より南アフリカに駐在しています。

普通の日系企業の駐在とは異なり、上司も部下も同僚も全てが南アフリカ人であるため99%南アフリカ人と仕事をしながら成果を出し管理職に昇格も果たしています

この記事では、日本と南アフリカの文化の違いを明確にし、チームをマネジメントし、成果を出すための方法5つを解説します。

この記事でわかること

・南アフリカ人と日本人の文化的な違い
・違いを理解した上で、チームマネジメントする方法5つ
・南アフリカで仕事を見つける方法

それでは見ていきましょう。

【MASAのコラム】南アフリカ人と働き成果を出す方法5つ。異文化を理解しマネジメントする(実体験から)

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【基礎情報】南アフリカとは?

南アフリカ概要

南アフリカは、アフリカ大陸の最南端に位置します。

国土は120万平方キロメートルと日本の3.2倍、人口は6,000万人、うち80%が黒人で、キリスト教文化の国です。

面白いのは、黒人の中でも民族が数百存在すると言われており、スールーやコサ、ソトが代表的な民族で、与党のANC(アフリカ民族会議)内でも、民族間の派閥争いが絶えず行われています。

経済面では、農業・畜産業や鉱業が大変盛んで、工業面では食品・製鉄・自動車産業が高度に発達しており、特に自動車は、サハラ以南アフリカや欧州に輸出をするほどです。

一方でデメリットは、失業率が常に30%、そのうちほとんどが黒人で、南アフリカの治安の悪化の主要因となっております。

電力は常に不足し、夏冬には計画停電が頻繁に実施されるため、ビジネスの大きな妨げになっています。

南アフリカは、人口も増え経済的に成長もしており、アパルトヘイトの残した負の側面(腐敗した政府、高い失業率、電力不足、など)が解消されれば、大きな成長を遂げるであろう国です。

今からアフリカ専門家を目指すことで、将来、転職市場で大きな価値を持つことができます。

南アフリカ概況

・面積:120万平方キロメートル(日本の3.2倍)
・人口:5,778万人(2018年)
・首都:プレトリア(及びケープタウン、ブルームフォンテイン)
・民族:黒人(79%)、白人(9.6%)、カラード(8.9%)、アジア系(2.5%)
・宗教:キリスト教(80%)、ヒンズー教、イスラム教、など
・一人当たりGNI:$5,720
・主要産業:畜産業・農業・鉱業、食品・製鉄・化学・繊維・自動車
・インフレ率:3.7%(2018)
・失業率:27.0% (2018)

南アフリカ在住の日本人の数と職業

南アフリカに住む日本人の数は1,112名で、世界で47番目に在留邦人が多い国となっています。


出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」より筆者作成

実地で生活している感覚的にですが、南アフリカに在住している日本人の方は、以下の業界に所属していることが多いです。

南アフリカの日本人が働く業界一覧

・自動車及び部品メーカー
・商社
・大使館や領事館、日本人学校、JICA・JETRO
・ロジスティクス
・金融
・現地で起業

後ほど、「南アフリカで働く方法」にて詳しく解説します。

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日本と南アフリカの文化的な違いとチームマネジメント方法

先ずは、日本と南アフリカの文化的違いを明らかにしたいと思います。

以下のチャートは、エリン・メイヤー(Erin Meyer)著の「異文化理解力」を参考にして、筆者の経験と現地駐在員、南アフリカ人の数名と議論した結果、生み出したものです。
(本は、本記事の最後に紹介しています)

カルチャーマップ(日本・南アフリカ・アメリカ)

出典:エリン・メイヤー「異文化理解力」を参考に筆者作成

詳しい解説は著書に譲りますが、日本と南アフリカで大きな差がある5つの項目と生じうる問題について言及しながら、僕の実体験より有効な対処法を提案していきます。

日本と南アフリカの違い5つ

・コミュニケーション
・リード
・決断
・見解の相違
・スケジューリング

それでは1つずつ解説していきます。

コミュニケーション

先ずは、日本よりも南アフリカはローコンテクストという点です。

ローコンテクストとは?
”文化の共有性が低く、会話の行間は読まれず、ほのめかしも通用しないこと”

ローコンテクスト文化でのコミュニケーションでは、可能な限り全て言語化をする必要があります。

南アフリカはハイコンテクストの文化圏に属しますが、日本と比較するとローコンテクスト文化です。

そのため、「空気が読む」ことが前提の日本人の指示は、雑で言葉足らずであることが多くなり、問題となることが多いです。

代表的な問題
・期待していたクオリティの提案資料が出てこない
・期限を守らない

対処方法としては、何か要望するときは、粒度を細かくして指示を与えるということ。

例えば、こんな感じですね。

粒度の高い指示の例
「まずはxxxの情報を調べて。売上xx年~xx年までの推移を、棒グラフにしてまとめてみて。その上で一回レビューしよう。その後、xx日までに、xxの部署と会議で意見を引き出した後、提案に反映させよう。その後、あなたの意見も反映させた上でドラフト提案を作成し、xx日までにもう一回レビューしよう。会議の設定は今日中によろしく。」

そのうえ、話したことをメールでも送り、成果が出てこなければ週次の定例会議でフォローアップする。

マイクロマネジメントを避けるためやり方は本人に任せることが基本ですが、日程が迫っているときは強めにプレッシャーをかけましょう。

1つ重要なポイントですが、チームメンバーと付き合いが長くなると「チーム内での文化共有」が促進され、人によっては「明日までにドラフト提案よろしく」という、日本ばりに雑な指示でも仕事が進むようになります。

リード

日本と比較すると、南アフリカ人はより「平等主義」です。

簡単に言うと、上司と部下の距離が近く、組織が日本よりフラットで、職位を超えてコミュニケーションが行われることが日本より多いです。

お互いファーストネームで呼び合い、意見ははっきりと伝えられます。

一方日本では、役職を飛び越えてコミュニケーションが行われることはほぼなく、かつ会議は「合意形成の場」であることが多く、議論が活発化することは大変少ないです。

最初は、「僕/私を飛び越えてダイレクターに提案するなんて・・・(イラ)」や、部下に「I am not convince. I believe it is better to….」と言われるとプライドが傷つけられた気がするかもしれませんが、南アフリカでは普通です。

対処法としては、この文化的な違いを頭に入れて、逆に自分から積極的に意見を聞き出すくらいの心持で臨みましょう。

決断

南アフリカでは、よりトップダウン式の決断が行われ、かつその決断は状況に応じて簡単に覆ります。

日本やドイツなどの国々は反対に合意志向で、長い時間をかけて1人1人と合意を形成し、一度合意したことはよほどのことがないと変更されません。

日本の「稟議書」が良い例ですね。

日本の稟議書の結論パターン
各職位(担当→係長→課長→部長→役員)のメンバー1人1人と何度もレビューや根回しを行い、最終決済がおりるまでに膨大な時間を要する一方、一度決まった決断は覆ることがほぼない

一方南アフリカでは、上司が決断を下し物事が進みますが、状況が変わったら提案を修正して、再度新しい決断が下されます。

つまり上司のあなたに部下から毎日「提案は以上です。決断を下してください」と、変更があるたび何度も問われることになります。

対処法としては、分からないことはトコトン聞いて理解し、その場でなるべく決断を下すようにしましょう。(これは慣れてください)

もちろん、決断するにあたり情報が足りない場合は、調べて再提案をしてもらいますが、1回、多くても2回を限度にしてください。

自身で決められないこと(会社全体に影響すること、など)は、あなたの上司と会議をセットして、決断をお願いするという「決断」を下しましょう。

決断を延々と割きのばしていると、決断力も知識もなく、時間だけかかる無能な上司だと思われ、見放されます。

見解の相違

南アフリカと日本、両方とも「対立回避型」に位置しますが、南アフリカは日本ほど極端に対立回避型ではないため、日本人にとっては、南アフリカ人が少しアグレッシブに見えます。

日本では、他の部署や上司と対立を回避することが至上命題となっていることが多く、上司に意見すらしない場合がほとんどです。

しかし南アフリカでは、部下ははっきり意見を言い、上司が間違っていると思えば、オブラートに包みながらこう発言してくれます。

「Hi Masa.I am afraid that there is misunderstanding. I believe it is better to do xxxx(提案の内容)」

最初は「いやいや、何を言っている!」と高いプライドを守りたくなる気持ちも出てくると思います。

対処法としては、部下の発言は全て素直に耳を傾け、自分の誤った決断を正してくれていると認識し、きちんと受け取りましょう。

もちろん、あなたが納得していない場合は、納得するまで「なぜ?」を繰り返しましょう。

時には自分の持っているデータを公開、グーグルで情報を調べながら議論し、正しい決断に一緒にたどり着く努力も必要です。

スケジューリング

日本人が最も苦労するのがこのスケジューリングです。

日本では、「ガントチャート」如く、プロジェクトは開始から最後まで直線的に繋がっており、水が流れるように物事が進行すべきで、途中の邪魔や変更は受け入れられません。

ガントチャートのイメージ

一方、南アフリカは大変柔軟です。

同じく「ガントチャート」は作成されますが、状況の変更は受け入れられ、プロジェクトの全体感は忘れ去られ、場当たり的な対応にになります。

そのため、全体図を把握している人が少なく、気付いたら全員が1つの問題に取り組んでいてプロジェクトが遅延・・・、という事はよくあります。

対処法としては、全体感を常に持っておくことで、日本人の付加価値を発揮できる領域です。

例)
部下が延々と1つの問題を議論している中でもあなただけは、「今話しているのは、やるべき10個のことのうちの1つですよね。他の進行状況はどうなっている?」と、常に全体の進捗状況を把握するう。

もちろん、生じている問題1つ1つについても、部下と一緒にきちんと対処することが求められますので、見放さないようにしましょう。

【まとめ】南アフリカ人のチームをマネジメントし成果を出す方法

ままとめます。

南アフリカでチームをマネジメントして成果を出す方法5つ

・部下へ何か要望するとき、指示の粒度を上げる(ローコンテクスト文化への対応
・役職を超えたコミュニケーションをある程度受け入れる(フラットな組織
・決断を下す習慣をつける(リード
・反対意見も素直に受け入れる(見解の相違
・柔軟な対応を心がける。一方、「全体感」は常に持っておく(柔軟な対応と日本人らしさ

南アフリカの文化に対応することが大切ですが、日本人の良さも手放してはいけません。

例えは、本社への資料や意思決定のロジックはあなたの方が絶対に詳しいはずですから、自信を持って部下をガイドしましょう。

なお余談ですが、日本と同じく「関係性」を重んじる南アフリカでは「飲みにケーション」も有効で、関係性を築くのに一役買います。

ただ日本と異なりワークライフバランスをとても大切にするので、何かの節目や部のイベント以外に頻発するのはやめましょう。

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南アフリカで仕事を見つける方法4つ

さて、ここからは南アフリカ仕事をしたい方向けに、南アフリカに書かれる仕事を見つける方法を4つ紹介します。

南アフリカで仕事を見つける方法4つ

・リンクトイン
・青年海外協力隊、在南アフリカ日本大使館・領事館やNGO
・起業
・企業派遣で駐在する

1つずつ紹介しますね。

リンクトイン

海外で仕事を見つけるには、必須の方法ですね。

南アフリカ人の同僚に「南アフリカで転職活動はどうやるの?」と質問したところ、エージェントとリンクトインの2択とのこと。

アカウント持っていない方は、先ずは登録しましょう。

\リンクトインに登録する/
リンクトインのホームページはこちら

登録し個人情報を入力した後は割と簡単に求人情報をみることができます。

以下の3ステップで仕事を探し、応募してみましょう。

Step 1:求人を検索する

Step 2:求人情報をみる

Step 3:詳細を確認し応募する

青年海外協力隊、在南アフリカ日本大使館・領事館やNGO


出典:Partnerのホームページより

南アフリカは新興国であるため、経済開発や国際協力に関する現地派遣が盛んです。

国際協力だけでなく、外務省は1~2年の任期で各海外の大使館や領事館へ派遣を行っているので、求人情報を観てみましょう。

現地の大使館・領事館には、大学を休学して働いている学生の方もいらっしゃいました!

以下に、各団体のサーチ方法をまとめて置いておきますね。

Partnerは、国別・団体別に求人を調べることが出来るため、目を通してみましょう。

起業

様々な分野で、南アフリカで日本人の方が起業しています。

日本食レストランやタクシー事業など、多様です。

もし南アフリカで企業の可能性を見出したら、是非トライしてみてください。

企業派遣で駐在する

南アフリカで働いている日系企業の方々は、自動車メーカー及びサプライヤーさん、総合商社の資源・自動車部門、金融業界、そしてJICA・JITROの駐在員さんがとても多いです。

どこも、南アフリカで発達している産業、またはサポートする産業ですね。

南アフリカの日本人が働く業界一覧

・自動車及び部品メーカー
・商社
・ロジスティクス
・金融
・JICA、JETRO

南アフリカで働きたいのであれば、これらの企業に転職するのが最も手早い方法でしょう。

ちなみに、駐在員の繋がりで求人のお手伝いを微力ながら協力させて頂きましたが、先日NECさんで「アフリカへ駐在が前提の採用」が行われていました。

非常に珍しい機会で、このような情報は、よほどのアンテナを張っていないと、個人のネットワークか、転職エージェントからしか入ってきません。

Masaのツイート↓


*募集は既に終了しています。

どの転職エージェントがおススメ?

常に人材を募集している会社は存在しないため、転職活動をする際は、機会を逃さないように求人情報を常に得られる体制を築くのが鉄板です。

希望してた会社が、つい先日募集を終了して「早く申し込んでおけばよかった・・」という人を何人見てきたか・・・。

海外に強い転職エージェントのリンクを置いておくので、先ずは登録して(無料)、アフリカ人材を募集している会社の情報を常に得て機会を逃さないようしましょう。

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出典:Amazon

外国人と関わる全ての方が読むべき必読書。

個人的には、仕事やプライベートで、外国人の方と関わってから読んだ方が、内容の吸収が早いと思います。

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他にも、グローバル人材が読むべき本を以下の記事にまとめていますので、興味があればご覧ください。

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記事は以上です。

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