【驚き】虹の国南アフリカに白人だけが居住する「オラニア」という町がある

南アフリカ
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南アフリカは、長い間アパルトヘイトで人種差別を容認していた国で、ご存じの通り、1990年代の初頭に廃止されました。

先日、前職の同僚の方が南アフリカに出張にこられたので、ヨハネスブルグのサントン地区で夕食を共にしました。

彼女は15年ほど前に南アフリカに数年ほど居住しており、当時の思い出話や南アフリカの情報について色々教えてくれました。

数年しかいなかったのに南アフリカ中を旅しつつ、知識を深めていった彼女の行動力に感嘆しつつ、彼女がふと話した街のことが気になった。

「南アフリカには白人だけが住んでいる街がある。名前はオラニア」

虹の国を目指した南アフリカで、そんな街の存在が認められるの?と思いつつ、気になったので調べたあと、2022年6月に実際に訪問してみました。

先ず、僕の訪問した際のYoutube動画を掲載していますので、良ければご覧ください。

虹の国南アフリカに白人だけが居住する「オラニア」という町がある

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オラニアとは


出所:ウィキペディア(オラニアの国旗)

オラニアは、ケープタウンから約900キロ、プレトリアから700キロ離れた北ケープ州にあるアフリカーナ―による自治区の事です。

アパルトヘイトの廃止当初、廃墟同然だったオラニアという土地を40のアフリカーナ―の家族が150万ランドを拠出して土地を買い白人だけの居住区を設立しました。

人口は2020年に約2,000人ほどで、基本的には白人のみが住んでおり、基本的にはその地域内で全て賄っています。

目的は2つ

1. 犯罪から逃れるため
2. アフリカーナ―の文化を守るため

アパルトヘイト廃止から約30年が経過し、アパルトヘイトと戦った世代は無教育の犯罪者と化し、南アフリカは世界トップクラスの犯罪国となってしまった。

特に農場を営んでいる白人がターゲットにして殺害されているケースも多く、このままだとアフリカーナ―文化(言語や生活習慣、伝統など)が消滅してしまうという危惧から設立されたそうです。

結果、オラニア内の治安は極めて良いとされています。

オラニアの場所

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誰が住めるの?


自身をアフリカーナ―と認識し、アフリカーナ―の生活様式やアフリカーンス語を話すことが出来れば居住できるとしています。

2011年の892人から2020年に2,066人と拡大を続け、毎年人口が約10%成長しています。

この中には、黒人からの報復が不安で移り住んできた人もいれば、単に街に職がなく生活の安定を求めて移り住んでくる人も少なくはありません。

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経済はどうなっているの?

先ず経済ですが、人口の増加と共に年率11%成長しており、南アフリカの0.2%の成長率とは比較にならないほどの成長を見せています。

オラニアでは、通貨は南アフリカランドではなく独自の通貨“オーラ”が流通しており、基本的には1ランド=1オーラとなっています。


出所:wikipedia

2019年時点で、労働者は以下の通り雇用されています。

・サービス業:269
・トレーダー:140
・建設業:76
・教育:66
・農業:27
・ホスピタリティ:19
・製造業:12

農業は、Pecan Nutsを生産しておりなんと中国に輸出をするレベルまで成長し、最近は観光業に力を入れています。
スパやホテルなどが解説され、オラニア内の観光サービスを提供する会社が13も存在し、2013年には年間で2,000人もの人が訪れています。

最終目的は?

南アフリカの内陸に位置する国の、レソトやエスワティニ(旧スワジランド)を目指しています。

そのためには、近代化を推進し人口を増やすことが必要です。

オラニアの街の様子

閉鎖された地域ではないため、メディアも普通に入れるようです。

見た感じは、普通の南アフリカの街並みといった感じですね。

実際にオラニアに行ってみた


筆者撮影:オラニアの入口と筆者

ヨハネスブルグからドライブで約8時間、ブルームフォンテインを経由してオラニアを訪問しました。

感想。

白人しかおらず、アフリカーンス語のメニューしかないことを除けばただの小さい街ですね。

アジア人、特に日本人はかなり珍しいようで、お店で物色していると英語で気さくに話しかけてくれたりしました。

通貨は南アフリカのランドが普通に使えたので、現地の通貨は最後まで見る事ができませんでした・・・残念。

印象的だったのは、前評判通り治安がとても良いこと。

交流エピソード1:カフェの店員さん
お話をしたところ、「オラニア外の大学に通っている。コロナ禍だから、オンラインで受けられるから」とのこと。
大学がないオラニアでも、これなら若手の流出をせずに大学教育まで受けられるから良いですね。

交流エピソード2:カフェの店主のママ
10数年前にオラニアに来てお店をオープン。ずっとオラニア内にいる訳ではなくて、僕らが訪問した前の週にはヨハネスブルグを訪問していたとのこと。
オラニアに住んでいるだけで、外部との接触が絶たれている訳ではないという当たり前のことに気づかされました。

訪問されるまでに、色々考えさせられる街ですので、南アフリカへ訪問の際はぜひ訪問してみてください。

事前に、南アフリカの本や映画を観ていくことを強くおススメします。

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レストランとカフェが併設されている施設。


スーパー。売っているものは他の街のスーパーと一緒。


くつろいだコーヒー屋さん。店主のお母さんがとても気さくだった。

コーヒー屋さんのロケーション

さいごに

オラニアへは普通に観光が出来るようなので、コロナが落ち着いたら訪問してみようと思います。

ただアパルトヘイトと同時に、報復を恐れて白人だけの国を作る考えが当時認められたことも驚きです。

かつてユダヤ人がイスラエルを建国したように(背景は異なりますが)、同じ民族が集まって国を設立したいという意思は尊重されるべきかと個人的には思います。

このままこのオラニアという自治区が大きくなり自立を求める姿勢は尊重されるべきものの、また民族間の対立を生み出すようなことだけはなくなってほしいと祈るばかりです。

それでは南アフリカでの新しい発見についてまたアップします。

記事は以上です。

この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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