【体験談】駐在妻と仕事。海外で働く方法6つとメリット・デメリット (キャリアを育てる)

海外駐在

男性パートナーの駐在に帯同した女性、つまり駐在員の妻(以降”駐妻”)は世界各国にいます。

現地に溶け込み楽しむ駐妻、旅行に行きまくる駐妻、働く駐妻、大学院に通いキャリアを高める駐妻、はたまた孤独に過ごすことを余儀なくされる駐妻

駐妻の数だけその悩みはあると言えます。

この記事では、男性パートナーの駐在に帯同した女性、つまり駐在員の妻(以降”駐妻”)が現地で働く方法と、そのメリット・デメリットを紹介します。

これから駐在に帯同する方、現地にいらっしゃる方、この記事では実駐妻の体験談が中心ですので是非参考にしてみてください。

※本記事は、南アフリカ在住のmikuさまの記事「働く駐在妻と専業主婦のメリット・デメリット」を一部追記、改変したものです。

miku / 南アフリカ🇿🇦ダーバン:noteのリンクはこちら

駐妻が帯同中に働く方法6つ

①日本で就職しフルリモート
男性パートナーの会社で勤務
現地の日大使館、領事館、JETROなどで働く
フリーランス
海外企業でフルリモート(Self Employed)
⑥現地で単発のアルバイト

①日本で就職しフルリモート

コロナ以後、日本でフルリモート前提での案件が徐々に増えて来ています。

本記事で紹介するmikuさんも、日本企業に就職しフルリモートで南アフリカで働かれていました。

求人でもフルリモート案件はいくつかありますが、時給ベースの雇用形態が多いですね。

個人的なお勧めは、ウェブライターやデザインなど潰しの効く仕事をこなし専門性を身に付けてフリーランスになる、ですね。

以下、フルリモートが比較的見つけやすい転職サイトです。

エージェントそれぞれ扱っている案件が異なるので、先ずは登録してエージェントから話を聴きつつ案件を待つのが王道ですね。

加えて、こちらも海外在住の駐妻の方が利用されていた「Help You」というフリーランスの業務委託のプラットフォームです。

会社勤めの経験があれば、ディレクターというお客さまとの調整なども任せてもらえる立場も目指せますし、その分高い給与を得ることが出来ますね。

選考があるためある程度のスキルが求められますが、海外でも問題ないので、非常に使い勝手の良いサイトです。


出典:Help youホームページ

Help youのサイトはこちら

②男性パートナーの会社で勤務

稀にあるのですが、男性パートナーの方の企業で働くケースです。

同じ会社で働いていたけども、退職などで帯同していった駐妻の方が現地支社で働くケースはよくあるケースです。

男性パートナーの企業が日本人を求めて雇用に繋がる場合がほとんどですので、現地支社で働きたい場合は、事前に現地企業の社長や雇用の責任者と話しておきましょう。

③現地の日大使館、領事館、JETROなどで働く

こちらも時々ある案件です。

日本語を話せる人が多く求められるケースがある団体なので、国によりますが募集があります。

こちらはオープンになっている求人と言うよりも、現地在住の日本人に対して小さく募集するという手法が取られています。 ※南アフリカの場合

その案件は、雇用期間的には6カ月~12か月ほどが多かったです。

これ、駐妻の方でも申し込める!という案件は、1-2年に1回ほど見ることができました。

④フリーランス

自身のスキルを売り込んで業務委託を受ける方法です。

案件として多いのは、チラシデザインの作成、記事の執筆、動画・ホームページ製作、コンサルティング、コーチングなどとても多様です。

評価が高ければ高単価を得られますし、繰り返し発注してくれる企業や個人と関係を築けるため、積極的に利用したいですね。

フリーランスが集まる代表的なサイトは以下の通り。

先ずはトライしてみるのはいかがでしょうか?

⑤海外企業でフルリモート(フリーランス)

日本語話者というだけで、フルリモートで雇ってくれる可能性がある海外企業も存在します。

以下にPodium North という会社を取り上げます。

こちらは日本語でのコンテンツライターの仕事で、WordpressやSEOライティングなどのスキルは必要ですが、外国の方と英語で仕事をするので、「Cross-Cultural」なチーム環境で仕事をしていたという実績を積むことが出来ます。


出典:Podium North (2025/3/10時点)

Google検索で「Japanese speaker full remote」で検索した結果で、検索結果のLinkedinのページから見つけたものです。

難易度は高いですが、帰国後のキャリアを考えたら一考の価値ありですね。

僕が駐夫だったらこのような海外フルリモートの仕事を取るか、雑貨をECで販売するか、講座を開講します。

⑥現地で単発アルバイト

日本語話者やアジア人を募集した単発アルバイトが稀にあります。

海外在住の友人は、年に数回でしたが高給の撮影モデルとして単発アルバイトをしており、それなりの金額を稼いでいました。

海外駐在同行中の駐妻のキャリア


出所:Business Insider “ハイスペ化する「駐妻」たち。外銀、商社、MBA…現地就職でキャリアの断絶防ぐ

駐妻になる前のキャリアは、86.1%がフルタイム勤務だったそうです。

そのため、駐在帯同中も仕事を希望する方が非常に多い印象です。

【体験談】日本企業に就職し南アフリカでフルリモートで働く駐妻


※ここからは、一部改変してmikuさまの体験談をお伝えします。一人称はmikuさまとなります。

先月末、南アフリカで暮らし始めて2年が経ちました!

2年経った今、思い返してみると様々な場所へ行き、いろいろなことを経験し、あっという間のような、充実していた日々のような、複雑な気持ちです。

この2年間でいちばん大きな変化は、肩書きが変わったことです。

一般的に駐在帯同するとなれば無職(専業主婦/専業主夫)と想像されがちですが、南アフリカ生活1年目はフルリモートで日本の会社に勤める正社員でした。

しかし今年の4月からは専業主婦(たまにライター)に変わりました。

生活や感情面で、大きな変化があったので、改めてメリット・デメリットを残しておきたいと思います。

働く駐在妻 ~正社員編~

駐在妻が働けないのは昔の話、とも言えるくらい、調べれば調べるほど働いている駐在妻/駐在夫が増えていると聞きます。

私は南アフリカ渡航がわかっている状態で転職をした企業で、時差ありフルリモート勤務をしていました。

どうやって転職したか

転職活動をしていた時期がコロナ禍で、具体的にいつ南アフリカに渡航できるか決まっていない状況でした。

そのため、書類選考と一次面接では、海外に行く予定があることは伝えませんでした。

二次面接で「南アフリカに行く予定があり、現時点では〇月から」と伝えました。

その後、私の業務がフルリモートに対応できるか・もしくはフルリモートで依頼できる他の業務があるか、勤務時間や税金関係などを確認してくれ、無事に採用してもらうことができました。

“働く駐在妻”のメリット4つ

① 自分の収入があること
② 履歴書に空白ができない、経験を積める
③ 駐在員/家族コミュニティから距離をおける
④ 金曜日の夜がうれしい!
①自分の収入があること

なんといっても自分の収入があり、自由にお金を使えること。

好きなものを買えるし、一時帰国費用も出せます。

夫の予定を気にせず好きなときに帰れるので、遠い南アフリカにも関わらず、年2回のペースで一時帰国していました。

②履歴書に空白ができない、経験を積める

よくある帰国後の不安がかなり軽減されます。

③駐在員/家族コミュニティから距離をおける

特に駐在妻の集まりはほとんどが平日の日中です。

良くも悪くも、仕事という絶対的な断る口実ができます。

④金曜日の夜がうれしい!

南アフリカ人の友人たちは働いている人がほとんど。

金曜日の夜に夕食を食べたときは解放感が共有できました。

日本にいる友人とも温度差がうまれにくいです。

南アフリカで”働く駐在妻”のデメリット4つ

① 現地の文化に触れる機会が限定的
② 日本と余りに異なる生活習慣
③ 一時帰国が忙しい
④ 日本のトレンドや情報に疎くなる
①現地の文化に触れる機会が限定的

せっかく住んでいるのに南アフリカの文化に触れる機会が少ない

治安が悪く夜のお出かけが制限され、平日は英語を聞くことすらありません。

週末は家事や食料・日用品の買い物などに時間を取られます。

②日本と余りに異なる生活習慣

時差と頻発する停電のせいで、勝手に負い目を感じます。

日本時間の15-24時、南ア時間の8-17時で勤務していたため、直接話せる時間が限られている中で(当時)頻発する停電で弱くなる回線

同僚は「気にしないで」と言ってくれていましたが、「申し訳ないです…」と何度も口に出してしまいました。

言霊なので自己肯定感が本当に下がります。

③一時帰国が忙しい

話を聞く限り、一般的な駐在員/家族の一時帰国は「休暇」です。

ただ、私の勤務先には関係のない話。

南アフリカ↔日本の行き来(往復4日間)に大切な有給を使ったり、土日に移動して翌朝から働いたり。

在外邦人からは「一時帰国いいね~どこか旅行に行くの?」と聞かれますが、残念ながらそんな時間はあまりありません。

限られた休日に友人と会う予定を詰め込み、その合間で病院や買い出しに行きます。

④日本のトレンドや情報に疎くなる

コンテンツ系の仕事をしていたので、情報力はかなり重要です。

日本にいる時以上に様々なWebメディアやSNSをチェックしていましたが、東京の街中にあふれる情報とは大きな差があり、焦ることも多いです。

働く駐在妻 ~業務委託編~

後半5ヵ月は、諸事情により週3日、南アフリカの午前中だけ働く契約に変わりました。

収入とキャリアは中途半端になりましたが、私にとってはいいことづくめでした。

一番は副業ができるようになったこと。

というか本業がない状態なので、「海外書き人クラブ」に入会してライター業務などを始めることができました。

明るい時間に出かけることができるので、品ぞろえが良い状態のスーパーマーケットでゆっくり買い物をしたり、ほかの駐在妻の方とランチやお茶をしたり、英会話を習ったり、カフェの店員さんと雑談をする時間もできました。

仕事の予定のおかげで一日や一週間の予定を立てやすくなるので、生活にメリハリがつきます。

無職の駐在妻

これまた諸事情により、4月からは無職になりました。

現在進行形で、活動的な一日と無気力な一日の差が大きい日々を送っています。

メリット4つ

① 時間を気にせず料理を作れる
② 駐在妻の方々と仲良くなれる
③ 時間や日程を調整しやすい
④ 習い事ができる
①時間を気にせず料理を作れる

基本的には料理が好きなので、(やる気がある日は)何品も作ったり、凝った料理を作ったり、初めての食材を使ってみたり、楽しめます。

②駐在妻の方々と仲良くなれる

南アフリカ生活の情報共有や相談など、生活環境が似ているからこそ分かり合える面がたくさんあります。

日本人コミュニティから距離をおきたいとは思っていますが、やっぱり異国で日本語で話せる相手は大切です。

③時間や日程を調整しやすい

日本から私に会いに遊びに来てくれる友だちの予定に、ちゃんと合わせられます!

夫の振休や有給にも合わせられます。

④習い事ができる

時間があるので、英会話とアフリカーンス語、(なぜか流れで)書道を習い始めました。

単発のワークショップなどにも参加しやすいです。

ジムにも行きやすくなりました。

デメリット4つ

① 時間があるのに、やる気が出ない
② 職業を聞かれると悲しく切なくなる
③ 貯金残高が減っていく
④ 漠然と帰国後の再就職が不安
①時間があるのに、やる気が出ない

自分の問題だと重々承知の上ですが、時間がないフルタイム勤務の日々の方が隙間時間を有効活用していろいろなことができていた気がします。

やりたいこと、やってみたいこと、たくさんあるのに、どれも中途半端な状態が続いていて自己嫌悪になります。

②職業を聞かれると悲しく切なくなる

ふとした書類やアンケートの職業欄。日本の入国書類もですね。

職業欄があり「無職」と書くのに抵抗があり、フリーランスと書いたりしています。

嘘ではないはず。

さらにUberの運転手さんや同じマンションのエレベーターでのスモールトークなど、南アフリカではよく What do you do? と聞かれます。

ビザの関係で働けないんだ~とか、ライターだよ~とか、答えています。南アフリカでも女性はけっこう働いています。

③貯金残高が減っていく

ひとりで出かけた際には自分名義の日本のクレジットカードを使っているので、毎月残高が減り続けています。

駐在家族の先輩のアドバイスもあり、我が家では私が払った食料品など生活費は、数か月に一度まとめて夫に請求するシステムにしました。

ですが、友だちが遊びに来てくれたときの旅行でかかる費用、一時帰国中に友だちや家族と過ごしたときにかかる費用、プレゼント代、などなどは(プライドもあり)夫には請求していないので、増える額より減る額のほうが大きいです。

④漠然と帰国後の再就職が不安

全世界共通のあるあるだと思います。

永住ではなく、いずれ帰国するからこその悩みです。

ちなみに、複数の転職エージェントで「生活のベースが海外にあるため」という理由でサービスの利用ができませんでした。

我が家は住民票を日本に残していますが、関係ないそうです。

正社員→業務委託→専業主婦→今後は?

残念ながら、南アフリカ生活は来年も続く見込みです。

なので、専業主婦の毎日からは脱出できるよう、いまいろいろと考えているところ。

世の中には本当に様々な駐在妻/夫の方々がたくさんいらっしゃるので、いろいろな方の体験を見聞きして、自分に合った生活を選んでいきたいと思います。

~mikuさんの体験談は以上です~

まとめ

仕事を辞め、又は休職して海外駐在に帯同すると、帰国後のキャリアに不安を覚えてるのは、駐妻でも駐夫でも同じです。

帯同中に収入がなくなる不安、帰国後に復帰して活躍できるかどうか、スキルが身に付かない。

幸運にも、今はフルリモートで仕事を出来る機会が過去に比べて増えてきています。

確かに海外フルリモートは時差の関係などから中々困難ではありますが、日本だけでなく海外の企業のフルリモート案件や、居住地でも働ける可能性があり選択肢は多いです。

本記事を参考に、是非駐在の帯同に備えてくださいね。

最後に、記事を寄稿して下さったmikuさんのnoteも是非フォロー頂けると幸いです。

miku / 南アフリカ🇿🇦ダーバン:noteのリンクはこちら

最後に、海外で必ず必要な「異文化理解」について以下でまとめているので、興味があれば是非ご覧ください。

\異文化理解に関する記事はこちら

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【必読】異文化理解はなぜ必要なのか?理由7つと異文化理解の基礎を解説します。理由7つは、1)グローバル化が進む、2)外国人と働き成果が出せる、3)視野が拡がる、4)語学力が身に付く、5)忍耐力がつく、6)柔軟性が身に付く、7)自国を理解できる、です。海外で苦戦するグローバル人材の典型的な例も2つ、取り上げています。

記事は以上です。

この記事を書いた人
Masa

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個、世界トップランカーのieビジネススクールで2021年にEMBA取得▶南アフリカでマーケティング部長として多国籍チームを率いる▶現在は、国内市場向けのB2Bマーケティングと新規事業部の兼務課長。

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