【新興国駐在体験談 vol.1】入社3年目で海外駐在のチャンスを得るまでの道のり

海外駐在
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こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x 海外MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

入社2年目、肌寒くなってきた秋のある1日。資格取得能力しかなかった僕を、当時の上司が別室に呼びこういいました。

当時の上司:
「実は、海外で若手を育成する新しいプログラムを立ち上げることになっていて、マサが第1期生に選ばれた。既に、海外派遣される他の5名は決まっているので、これからジョインしてほしい。頑張れよ。」

この記事は、僕が最初に入社した会社で、3年目に海外での語学・業務研修で中近東・アフリカに派遣された際の経験をつづったものです。

【新興国駐在体験談】のストーリーは全部で3部構成となっております。

【新興国駐在体験談】ストーリーの3部構成

【駐在への切符を掴むVol.1】
【海外駐在の体験談のVol.2】
【そして転職へVol.3】

当時は、大変を通り越して死にそうになりながらも、同じ研修生同士で励まし合い、厳しいながらも愛のある上司にも恵まれ、一生で何回もできない素晴らしい体験が出来ました。

この記事は、入社年次に関わらずこれから海外で働きたいと考えている人に対してこれからの行動の示唆に富む内容となっております。

なお僕は、新卒で大手家電メーカーに入社し3年目に「トレーニー」という立場で海外に渡航。

2年間の研修(1年はエジプト、もう1年はサウジアラビア)を経たのち、駐在員のポジションを得て2年半ほどUAEのドバイに駐在しました。

【新興国駐在体験談 vol.1】入社3年目で海外駐在のチャンスを得るまでの道のり

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入社1年目

リーマンショックで波乱だった

僕が就職活動をして内定をもらったのは2008年の4月頃。

当時は景気がとても良く各企業は採用に積極的で、各企業、歴代最多の従業員採用のニュースが新聞をにぎわせていました。

そんな中、歴史的な事件は起こりました。

そうです、「サブプライムローン問題に端を発する、リーマンショック」です。

2008年の中ごろに世界経済を不況に叩き落とし、世界中が混乱することとなりました。

そんな世界不況を受けて各社が内定を取り消す中、僕が内定を得た会社は「雇用を守る」という信念を突き通し、09年の新卒採用を全員受け入れてくれました。

無事入社することが出来ましたが、入社式で全員が度肝を抜かれます。

「世界と弊社は不況です。残念ながら配属できる部署も予算もありません。よってここにいる皆さんの2/3は家電量販店で販売実習をやってもらいます!」

え・・?

直ぐに海外に行きたいと思っていた僕にとっては、とてもショッキングなアナウンスでした。

残りの1/3に選ばれることを願いもむなしく、例にもれず僕も家電量販店で販売実習、つまり店頭に立ってお客さんに自社製品を販売する仕事を1年間行う事となりました。


ヤマダ電機テックランド東京本店(出典:Minmini

時間があったので資格を乱獲してみた

最初はショックを受けましたが、実は僕、個人的にはこの実習への取り組みをかなりポジティブに考えていました。

その理由は・・・

「お客さんがどんな商品を求めているか知れる」
「不況の中、家電販売で会社に貢献ができる」
「時間がある」

早く海外で働きたいという焦りがあった一方、基本的に毎日定時に帰り時間がある事がわかったので「この1年間を無駄にしない方法はないか」と考え始めました。

そこで考え即実行に移したことが、海外駐在に必要な知識を得るために資格取得でした。

漠然と本を読んだり勉強するよりも、資格取得の方が「レベルアップ感」がありモチベーションが持続しやすいと考えたためです。

そこからというもの、渋谷の宮益坂のベローチェ、又は渋谷駅新南口前のベローチェで、社内で推奨されている資格の勉強をする日々となりました。


渋谷駅新南口ベローチェ(出典:東京喫煙ナビ

恐らく年間で350日は勉強した結果、以下の5つの資格を取得しました。

社会人1年目に修得した資格5つ

・英検1級
・TOEIC925点
・簿記3級
・エコ検定
・貿易実務検定C級

取得すると奨励金をもらえたため、毎回会社に申請をするたびに上司や人事から「また取ったの?」と驚かれ、そのたびに「1日でも早く海外に行きたいのでその事前知識習得のためです」と発信し続けました。

配属先の決定!

そして時は流れ・・・

1年目の終盤、冬の寒さの厳しさも和らぐころ、人事より配属の通達がありました。

始めて受け取る辞令を開けてみると・・・

「配属:本社 海外市場開発本部」

新興国の戦略企画・提案する部署への配属が決定しました。

当時は「願いが叶った!」と思い歓喜の声を挙げていたのですが、ここからが本当に地獄の始まりということは、当時の僕は知る由もなかった。

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入社2年目

「Yahoo!探検部」への配属

入社2年目は本社で、東京からは離れていたため、寮に入り生活をしながら「海外市場開発本部」にて働くことになりました。

ワクワクしながら配属日がやってきました・・・

新しい部署でバリバリ仕事して海外出張にも行って、実力をつけて海外駐在するぞ!

早速部に歓迎して頂き、パソコンの設定してから、先輩社員から会社の海外ビジネス概要を説明してもらいます。

最初に与えられた仕事は・・・

 

SAP(売上管理システム)から担当国の売上データをダウンロードして、関係者に送っておいてね。

やり方を教えてもらってやってみると、15分程度の作業でした。

「初日はこんなもんか」と思い、2日目以降の仕事に期待していました。

しかし・・・翌日以降にもこれ以外の仕事がありません。翌日も、翌週も、翌月も・・・。

やれることと言えば、Yahoo!で探検してJETROのレポートを読むくらいしかありません。

たまに来る仕事も、「英語への翻訳」や「現地が作成した戦略資料の社内回付」くらいでした。

どれくらいやる事がないかというと、年末年始休み明けに来てたメールは「メルマガ5通」だけでした。

海外は年末年始稼働しているので、普通は結構メール来たりするはずなんですけどね。

加えて、周りの同期は海外営業部に配属されてバリバリ働いている人がたくさんおり日に日にプレッシャーを感じ、それがストレスとなっていきました。

それでも僕は、来るべき日に備えて「資格取得」だけは続けていました。

それでも僕は資格取得を継続した

そうやって継続していたら、いつの日か6つも資格を修得していました。

2年目に取得した資格6つ+1つ

・簿記2級
・ビジネス能力検定2級
・FP3級
・ITパスポート
・BATICアカウンタント
・知的財産管理能力検定
・中小企業診断士1次試験(2次は海外渡航でストップ)

さすがに独学王の僕でも中小企業診断士の学習は難しかったため、ボーナスの大半をつぎ込んでTACの講座を取りました。

他にも通関士を独学で勉強するも残念ながら不合格でした。

こちらも、新部署の上司から「また資格取って凄いね(少し引き笑い)」と言ってもらい、少なくとも海外にすごくいきたくて、かつ努力もできるやつ」という印象を持っていてもらったと思います。

もう1つ行動したことは、「仕事で関わっている人とは一度は顔を合わせたい」という想いから、夏休みには、自分の担当している国(ロシア)へ自費で渡航しました。

現地では、ロシアのオフィスを訪問、駐在員の方と交流させて頂く機会も自ら作ったりしました。

裏で辛辣な悪口を言われて凄く凹む

1日でも早く海外に行きたかったので、上司、人事、他にも海外駐在者中の一時帰国者の方や同期にも、「海外に直ぐに行きたい。だから知識を身に付けて準備をしている」という話をしまくっていしました。

そしたらある日、寮の自分の部屋で勉強していたところ、仲良くしてくれていた中堅社員からメールが。

「ある海外駐在員が、マサの陰口を言っていた。“マサは実力もない、口だけのやつが海外に行って通用するわけない。意識と口だけが一人前のやつ”、と。こんな悪口に負けるな。努力を継続して見返してやれ!」

いやー・・・

ただでさえ同期に遅れを取っているというプレッシャーがあった中で、これはダメージが深かったですね。

これを機に、ストレスで一度血便が出ましたし。笑

それでも僕が出来ることは、資格を取って準備をすること。会社に、海外行きたいと言い続けること」だけでしたので、愚直に継続しました。

もう本当に、ひらすら継続です。

入社2年目の最後、とうとう海外赴任の勤務の話が!

2年目の後半に上司が変わり、この方がとても理解のある方でした。

僕の資格取得や海外勤務に対する熱意を汲んでくれて、シンガポールへの出張の機会を2度も作ってくれました。

もちろん、まともな仕事経験はほとんどなかったのでしんどかったですが、「1つでも多くを学ぶ」という気持ちで、愚直に与えられた仕事をこなしました。

すいません、能力なさすぎて全然こなせてませんでした。笑

そして肌寒くなった秋のある1日・・・

1回目のシンガポール出張のあと、いつも通りYahoo!をパトロールしていると、上司から話があると急に呼ばれました。

「新しい仕事かな?それともYahoo!パトロールは、ばれないようにやりなさいという話か?」と期待と不安が入り混じりながら、上司が待つ会議室へ向かいました。

上司:
「実は、海外で若手を育成する新しいプログラムを立ち上げることになっていて、マサが第1期生に選ばれた。既に、海外派遣される他の5名は決まっているので、これからジョインしてほしい。頑張れよ。」

派遣プログラムは2年で、1年は語学実習で、もう1年は実務研修とのこと。

場所は中近東・アフリカ


筆者撮影

UAEのドバイで中近東・アフリカのビジネスは全て統括していて、どうやらドバイ販売会社のMDが直々に呼んでくれたそう。(以前、飲み会でご一緒させて頂いたことあり)

涙を出して喜びました。

いまでも、当時の上司と引っ張ってくれたドバイ販売会社のMDには感謝してもしきれません。

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入社3年目:そしてエジプトへ


筆者撮影(アブシンベル神殿と筆者)

最初の渡航先はエジプト。2010年に革命が起きており、情勢はまだ不安定。

「めちゃくちゃ楽しそう」と思いながら、2010年のゴールデンウイーク明けに、ドバイ経由でエジプトへ渡航しました。

僕はまだ知らなかった、これが地獄の始まりということを・・・

【海外駐在体験談 Vol.2】へ続く。

続きはこちら

【参考】海外駐在したい人は?その方法を解説

いままで5カ国に6年以上駐在してきましたが、海外駐在に選ばれやすい人には特徴があります。

僕も2社で実践して、合計3回もの海外派遣を勝ち取っておりそのノウハウの全てを解説した記事となっています。

良ければどうぞ。

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この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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