こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。
MBA卒業生インタビューシリーズの第6回目は、第3回目のインタビューにお話しいただいたieビジネススクールでEMBA(Executive MBA)を修得した藤原茂晴さんです。
<過去の記事はこちら>
ieビジネススクールはスペインのマドリッドのビジネススクールで、「起業家の育成」に定評があり、QS MBA世界ランキングでは8位、オンラインMBAでは1位に輝いています。
藤原さんは、Slackにて勤務しながら2021年12月にEMBAを修得し、22年4月にドイツ系スタートアップの日本マーケット責任者として転職。
驚くことに、この企業には日本法人は存在しなかったのですが、藤原さんがこのドイツ系スタートアップに直接連絡し議論を進めていった結果、タイミングもあってこれから日本法人を設立していく事になったそうです。
転職に至る経緯、MBAがどう役に立ったか、そして藤原さんの将来への想いをインタビューしました。
・MBAが人生にどのような影響を与えるのか
・行動力の大切さ
・型に囚われないキャリア構築
それでは見ていきましょう。
【MBA卒業生インタビュー#6】超行動力 MBA修得後に転職先を自ら創る(更なる成長を求めて)
藤原さんのキャリア紹介
藤原さんは、大学卒業後にソフトバンクに入社し、起業家を育成するプログラムである「ソフトバンクアカデミア」に2期生として入学しました。
4年勤務した後、かねてから実現したかった語学留学とバックパッカーで世界中を回り、その後はシンガポールのKDDIの法人営業を経験。
その後は、米系企業にて2社勤務し、主に組織の立ち上げに積極的に関わっていきます。
ieビジネススクールは、今まで経験してきた事を体系化することを目的として入学し、2021年12月に卒業。
そして22年4月からは、ドイツ系スタートアップの日本法人立ち上げの責任者として勤務を開始しています。
転職を考え始めた理由は?
ご無沙汰しています、シゲさん(ieビジネススクールの同級生)。今回シゲさんが転職しようと思ったきっかけはなんですか?
ご無沙汰しています。端的に言うと、ビジネスの基礎をつくり上げた事で次の新たなチャレンジをしたかったこと、EMBAのクラスメートから刺激を受けたこと、そして欧州のスタートアップに関わりたかったこと、この3つです。
理由①;ビジネスの基礎をつくり上げた!
僕は、2017年にSlackへ日本拠点立ち上げメンバーの1人(合計6人)として入社しました。
Slackへ入社した理由は、素晴らしいプロダクト、今まで経験の無かった小さな組織や“Go to Market*”をチャレンジしたいという想いがあったためです。
当時は世界のユニコーン企業を全てリストアップして、そこからプロダクトの魅力、日本法人の立ち上げ可能性、オープンポジションから絞っていったと記憶しています。
僕の在籍していた4.5年間で、6人の小規模な組織から退職する頃には200人規模の会社へと成長し、一生の思い出となるような素晴らしい経験をたくさんする事ができました。
ただ同時に、200人から次のステージとして500人、1,000人に成長していくのを牽引していくキャリアより、ビジネスの基礎をつくることにもう一度チャレンジしたい気持ちがありました。
理由②;EMBAのクラスメートからの刺激
Slackで働く目的であったGTM(Go to Market)を実行し目的を達成したことに加え、ieビジネススクールのクラスメートからもらった刺激も、次のステップへ歩を進める大きなきっかけになりましたね。
世界トップのビジネススクールだけあって、クラスメートは優秀な人が多く、15ヶ月のプログラム期間で「Promotion(昇格)をした」や「転職が上手くいった」など、数多く耳にしました。
彼らは皆例外なく、考えるだけでなく想いを実際の行動に移しており、「自分も次の成長の機会を探さねば」と強い想いを抱きました。
理由③;欧州のスタートアップに関わってみたかった
転職を考えた3つ目の理由は、単純に僕の好奇心からなのですが、次は欧州のスタートアップで働いてみたいという想いです。
ieビジネススクールで垣間見たのですが、欧州の企業は国籍やバックグラウンドの多様性がとても高く、様々な方がいます。
多様な考え方を持っている人と仕事をすると、どのようなビジネスが生まれてくるか、考えただけでワクワクしてきます。
以上3つの理由から、欧州のスタートアップ企業に的を絞り、転職活動を始めました。
転職先を自ら創る?!ドイツ系外資企業との出会いのきっかけは?
転職をしようと考えた理由、よくわかりました。
次に、転職先の企業としてあえてドイツ系スタートアップを選んだ理由はなんでしょうか?
僕は、転職先を決めるときは、その会社が提供しているプロダクト・サービスが”Wow!”と思えるところで働きたいと考えています。今回も、プロダクトにほれ込み、転職活動を開始しました。
Wow!と思う商品があった。気付いたら行動していた
さきほど転職を考えた理由を3つ挙げました。
①ビジネスの基礎の作り上げた
②EMBAのクラスメートから刺激を受けた
③欧州のスタートアップに関わりたかった
僕が転職を検討する際にもっとも重視する点は「働いている会社が提供しているプロダクト・サービスに革新性、つまり“Wow!(商品すげー!)”を感じることができるかどうか」です。
今回も例外なく革新的だと思ったプロダクト・サービスを考えたとき、MBA中に利用していたサービスが頭に浮かび、それがドイツ系スタートアップでした。
興味を持ったら先ずは行動してみるタイプなので、早速Linked-inでこの企業のHead of Revenue(収益責任者)を探し、直接メッセージを送りました。
すると返信が直ぐに来て、早速Webでカジュアル面談を実施するというスピード感でした。
話を聞くと、企業側の希望と僕のやりたいことが合致していたため、オファーまではとても早かったですね。
・僕の期待値:欧州系スタートアップでマーケットをリードする立場で新しいチャレンジをしたい
約3ヶ月の期間を経て、22年1月に無事に正式オファーを頂きました。
余談ですが、Slackもツイッターで日本法人が立ち上がるニュースをみて、翌日にはポジションに応募したんです。笑
現職での今後の目標は?
今回は、Slackのときと異なり日本では僕がGTMを準備をしながら組織を大きくしていきます。
第1段階では、日本市場でGTMを実施し事業を拡大することが最大の目標で、今年中には初期メンバーの採用を進めていき組織拡大を目指します。
まだ先の話ですが第2段階として、日本の事業拡大が軌道に乗ったタイミングで、ゆくゆくは日本をベースにアジアの他の国まで展開したいと考えています。
ieビジネススクールのEMBAはどのように役立ったか?
すさまじい行動力ですね。
質問が少し変わりますが、今回の転職でMBAがどのように役立ちましたか?
良い質問ですね。
Slackのときと違い、今回は自分がリーダーとなってGTM戦略を策定・実行して行く必要があり、営業以外の経験がない僕にとってはMBAでの学びは全て役に立ちます!
もう少し具体的に、どの授業がどのように役立つか説明しますね。
マーケティング
僕が扱うサービスは、日本ではまだ認知度がそこまで高くないため、お客さんにプロダクトを知ってもらい利用を促進していかなければなりません。
そこで役立つのがマーケティングの知識です。
当面はリソースが限られているので、アウトソーシングをしながら外部組織に認知度向上に向けてマーケティング施策を考え広告代理店へ実行をお願いしたりPRを考えたりします。
ここではマーケティングの授業で習った手法をそのまま使えます。
人のマネジメント
今年度中に人の採用を考えているのですが、こちらも授業で学んだことがダイレクトに生きます。
例えば、人事サイクルの中でどこからどこまでを僕が責任をもつか、どうやってベストタレントを採用していくか、開発はどのように行ってメンバーを成長へ導くか、メンバーにどのようにベストキャリアな場所としていきいきと働いてもらうか、など、授業で出てきたフレームワークや他の企業のケースを参考にしながら、これから組み立てて行きます。
スケールアップ企業論
この授業では、年率成長率(売上または従業員数)20%以上が3年間続いている企業を対象に、スケールアップ(規模拡大)期にある企業が陥りがちな問題や気をつけるべきこと、逆に積極的にやるべきことなどを、実際の企業を例に学習します。
特にPMF(プロダクトマーケットフィット)以降に様々な企業がどの様にスケールアップさせていったかを理解する事で、僕が実際にイノベーターの顧客層や競合を理解しながら、そこから3-5年後を見据えて今年優先度の高いアクションをつくっていくか、非常に参考になっていきます。
EMBAの授業内容について詳しく知りたい方は、以下の記事に詳しく書いてあるのでどうぞ。
<参考記事はこちら>
組織と人の成長率は比例する
まさにこれから規模を拡大して行くので、大変ですがとてもやりがいの大きい仕事ですね。
同じieで学び、サイドビジネスの下準備をしている僕にとって、実際に行動しているシゲさんからは刺激を受けます。
ありがとうございます。
組織が大きく成長している所には自ずと人やお金も集まり、様々な機会が生まれます。前職はジェットコースターの様な速さで、最高のチームメンバーと一緒に、本当に色んな事を経験する事ができました。
前職では4.5年働いていましたが、実際は6-7年くらい働いたくらいの感覚があります。
フェーズが異なるので、組織やビジネスが既に大きくなり、リテンションしながら105%成長を目指す様なビジネスに身を置く場合と、僕が今まで経験してきた環境や求められる役割は異なるかもしれません。
僕の場合は、10年毎に置いている目標があるので、できる限りゴールに辿り着ける様にできる事からどんどんチャレンジしていきたいのが、スタートアップに身を置きたい背景に繋がっています。
どちらが良いとかはありませんし、それぞれ大変な事も沢山ありますが、組織と人の成長率は比例しやすいかもしれません。
藤原さんの将来のキャリアプランは?
いやー、めっちゃ面白い。
最後に、将来のキャリアプランをお聞かせいただきますか?
もちろんです!
僕は前述の通り10年毎にやることを決めています。
僕が10年毎に置いている目標は以下の通りです。
・20代でビジネスパーソンとしての基礎をつくり
・30代でビジネスの経験を拡げ←現在地
・40代で自身のビジネスで地元に貢献し
・50代で地元のリーダーとして市政を担い
・60代で教育者として地元の後継者を育てる
気力も体力も充実している30代には、ビジネス経験をなるべく多く積むことを目標としており、いまのところは順調に来ています。
将来的には、30代の経験を活かし地元の秋田のビジネス拡大に貢献したいと考えています。
藤原さん、ありがとうございました!
インタビュー後記
最後まで目を通して下さりありがとうございます。
同窓生として感じることが多くありました。
僕自身は大手のグローバル自動車メーカーに勤めながら、ブログを開設しSNS運用を実施しつつYou tubeも開始、将来的にはビジネスに繋げていこうと考えています。
サイドビジネスと呼べるほどのものではないですが、真剣になればなるほど、「自分でビジネスをやりたい」と考えるようになり、今回の藤原さんのインタビューで僕もチャレンジ意欲がわいてきました。
あと1年、南アフリカで新しい仕事とサイドビジネスの下準備に力を入れて、次の一手をじっくり考えようと思います。
本記事が、読者の皆様の将来のキャリアを改めて考える機会となれば、これ以上の喜びはありません。
他にも、多くのインタビュー記事を掲載しているので、良ければご覧ください。
記事は以上です。