【徹底解説】異文化コミュニケーションとは?メリット6つとスキルを身に付けるポイント6つ

海外駐在

こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

異文化コミュニケーションって何?異文化コミュニケーション能力が高くなると、どんな良いことがあるの?

この記事では、異文化コミュニケーション能力とはなにか、身に付けると仕事でどのように役に立つか、実例を用いながら解説します。

大学の異文化コミュニケーション学部を検討している方、海外に留学しようと考えている方、海外関連部署へ異動になった方など、外国人に関わる可能性がある方には必読の内容となっております。

そんな僕は現役の海外駐在員で、現在は南アフリカで勤務しています。

過去、UAE、サウジアラビア、エジプト、アメリカで5年ほど生活・仕事をし、異文化コミュニケーションを実践し続け、マーケティング部長まで昇格しました。

それでは見ていきましょう。

【徹底解説】異文化コミュニケーションとは?メリット6つとスキルを身に付けるポイント6つ

異文化コミュニケーションとは

文化的背景を異にする (異文化) 存在同士のコミュニケーションのこと

出典:Wikipedia

意外にも、多くのウェブサイトで異文化コミュニケーションの定義を行っておらず、Wikipediaの定義が簡潔でわかり易く、感覚的にもしっくりきます。

異文化コミュニケーションで大切なことは、自国の文化をきちんと認識し、接する相手の文化の差異を理解した上で、円滑なコミュニケーションを取ることです。

異文化コミュニケーションで起こりうる問題

異なる文化背景から生じる考え方や習慣の違いを原因に、しばしば問題と誤解を招きます。

例えば、Noodle Harassment(ヌードルハラスメント)」という言葉聞いたことがありますでしょうか?

日本人は、麺類を食べる際、音を立ててすすります。

実はこの麺をすする音、日本以外の諸外国では極めて不快だと思われています。

Noodle Harassmentだけなら良いですが、「悪気なくやっていること」がビジネスパートナーを極めて不快にしていたらどうでしょう?

仕事の進め方や日常的なコミュニケーションで同様のことが起きていたら、仕事が思うように進まず、チームとして成果が出なくなり、実際に世界中で頻繁に起こっています。

海外駐在員の方で、現地人と上手く働けずストレスを抱えてしまう人をよく見かけます。

このように、「自分が当たり前のことは諸外国ではそうではない」と認識した上で、お互い円滑なコミュニケーションを取ることが期待されます。

海外で活躍するグローバル人材の、典型的な失敗例は以下の記事に掲載しておりますので、興味があればご覧ください。

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異文化コミュニケーションスキルを高めるメリット6つ

異文化コミュニケーションスキルを高めるメリット6つ
・メリット①:外国人と働き成果を出せる
・メリット②:視野が拡がる
・メリット③:語学が身に付く
・メリット④:忍耐力がつく
・メリット⑤:柔軟性が身につく
・メリット⑥:自国の立ち位置を確認できる

1つずつ具体的に解説していきます。

メリット①:外国人と働き成果を出せる

異文化理解力が欠如していると、海外で仕事をする際にコミュニケーションで支障が出ます。

支障が出ると、海外駐在員や現地人、どちらにとってもストレスが溜まり、かつ会社としてのパフォーマンスは落ちてしまいます。

逆に、相手の文化や考え方のクセを理解していると、効率的に仕事を進めることができます。

日本と南アフリカの文化の違いを認識し、現地でチームをうまくマネジメントする実例をコラムで紹介しているので、興味ある方はご覧ください。

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メリット②:視野が拡がる

異文化理解力が高い人は、相手の考え方や異なる文化を受け入れる受容性が高いです。

そのため、ものの考え方や視野が拡がり、伴い発想力も高まります。

メリット③:語学が身に付く

異文化理解は、会話やメールによるコミュニケーションを基本とします。

外国人で日本語の話者は少ないため、コミュニケーションをするためには、日本人が語学(多くの場合は英語)を修得し、話す必要があります。

そのため、異文化理解の過程で語学力が磨かれていきます。

なお、海外関連の仕事をするうえで必要な語学力や会話の磨き方は、以下の記事に詳細を載せているのでご覧ください。

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メリット④:忍耐力がつく

異文化理解は大変なことです。

自分と異なる考え方を理解し受け入れるのは、しばしば苦痛が伴います。

例えば、仕事では緻密な計画を立て遂行していたのを、海外に駐在したら一切やめ、流れに身を任せるのは勇気のいることです。

このチャレンジを継続してできると、忍耐力が身に付きます。

メリット⑤:柔軟性が身につく

異なる考え方を受け入れるには、思考が柔軟である必要があります。

例えば、日本では部下が上司に意見することは珍しい。

そのため、海外で部下が上司に進言すると、上司である日本人は「口答えか?」と気分を害して聞く耳を持たないケースがあります。

異文化理解力がある人は、話を聞き、良いものは素直に受け入れる柔軟性を持ち合わせています。

むしろ、海外でなく日本でも、上司は聞く耳持つべきですけどね。

メリット⑥:自国の立ち位置を確認できる

日本で働くと、基本的に日本人としか接することがありません。

そのため、自分の考え方や行動が周りと同質化し、それらが世界のスタンダードだと思い込みます。

一方海外に出ると、異文化と自国の違いが浮き彫りになるため、自国の良いところ、悪いところが浮き彫りになります。

このように自国の立ち位置を認識することで、どこを修正すれば他国になじめるのか、見極めることができるようになります。

各国文化を測る6つの指標

異文化コミュニケーションで大切なことは、日本人としてのアイデンティティや日本に対する深い理解をすることです。

自国の深い理解がないと、外国の文化と接したときに、違いを認識できないためです。

本記事では、ホフステード博士の6次元モデルを紹介します。

6次元モデルでは、各国の文化を測る指標を6つに分け数値化したものです。

日本の数値も紹介されているため、客観的に日本文化の特徴を理解することができます。

ホフステードの6次元モデル 6つの指標
・指標①:権力格差
・指標②:集団主義/個人主義
・指標③:女性性/男性性
・指標④:不確実性の回避
・指標⑤:短期志向/長期志向
・指標⑥:人生の楽しみ方

全ての指標が0~100で算出され、数値で文化の特徴を理解することができます。

1つずつ簡単に解説していきます。

指標①:権力格差

階層を重視するのか、それとも平等を重視するのか測る指標です。

スコアが高いほど階層を重視する社会です。

権力格差が多い国では、ヒエラルキーが重要で、上司の指示や意見が絶対視される傾向にあります。

日本のスコア:54

意外に低いですね!上司に意見することすらできないので、80くらいかと思いました。

このスコアが高い国は、マレーシアやフィリピンなどのアジア諸国や中近東地域です。

逆に低い国は、欧米の国々です。

特にオーストリアでは、フラットすぎて、現在進行している会議に入って、誰が上司か見極めることが困難なほどです。

指標②:集団主義/個人主義

自分が所属する集団の利益と個人の利益、どちらを優先にするのか測る指標です。

スコアが高いほど、個人の利益を優先する傾向があります。

日本のスコア:46

30程度と、もっと集団主義なのかと思いました!

個人主義の国は、想像の通りアメリカや欧米諸国で、アジアや中南米、中東などの新興国は低い数値を示し、集団主義です。

指標③:女性性/男性性

家族や友人など大切な人との時間を大切にするのか、成功し地位を得ることを重視するか測る指標です。

スコアが高いほど、成功し地位を得ることを重視する傾向にあります。

日本のスコア:95

日本は、世界トップの男性性です。

働いている人は納得感の高いスコアだと感じますが、一度目標を設定したら、プライベートを犠牲にしてでも達成しようとする責任感があります。

妥協なく成果を追求するため、世界最先端の技術を持ち、ソニーやトヨタなどの世界トップクラスのメーカーが誕生しています。

一方、仕事=人生という価値観になりプライベートを犠牲にしがちな傾向があります。

指標④:不確実性の回避

不確実で曖昧なことを脅威と捉えるか、それとも気にしないのかを測る指標です。

数値が高いほど、不確実で曖昧なものを脅威と捉えます。

日本のスコア:92

想像通りのスコアですね。

コントロールできる範囲を増やそうとしたり、不確実性を避けるために情報収集に必要以上に時間を割いたりします。

最たる例が、日系企業では、マネジメント職や財務会計など、コントロールしたい領域に、日本人の海外駐在員を派遣します。

海外駐在員が現地拠点の肩を持つと、本社の人に「お前はどっち側の人間だ?」と言われるのは、コントロールをしたいからなんですね!

指標⑤:短期志向/長期志向

将来・未来に対してどう考えるかを測る指標です。

数値が高いほど、長期志向になります。

日本のスコア:88

長期志向が高い国では、教育に投資をし、仕事をハードにこなし、粘り強く努力し簡単には諦めません。

加え、長期志向の強い国では、まずは全体像を把握したがるという傾向があります。

確かに、僕も仕事で判断をするとき、全体像を把握する質問を多く投げかけます!

指標⑥:人生の楽しみ方

ネガティブな社会か、ポジティブな社会かを測る指標です。

数値が高いほどポジティブな社会である傾向があります。

日本のスコア:42

日本はスコアが中くらいですが、若干ネガティブよりです。

マジメで厳格なふるまいをすることが、信頼と専門性の証と取られる社会です。

加え、抑制がきつく笑顔を多く見せないのもネガティブな社会の特徴ですが、日本には当てはまりますね。

想像の通り、中南米やアフリカ諸国がポジティブな社会でスコアが高くなっています。

【まとめ】日本はどんな文化?


出典:Hofstede Insightsを一部筆者が加工

日本社会をまとめると・・・
・指標①:階層社会の傾向があるが同時に個人も重んじ、
・指標②:集団と個人の利益を常にバランスさせようとし、
・指標③:目的に関しては強い責任を持ち何があっても、妥協なく達成を目指し、
・指標④:不確実性をなくし、ものごとをなるべくコントロールするために努力を惜しまず、
・指標⑤:長期志向で、全体像を把握することで意思決定を行い、
・指標⑥:比較的ネガティブな社会で、マジメ・厳格な性格の人が信用される。

この指標の結果から、日本人が最も苦労する点は特にスコアが高い指標の部分です。

日本人が海外で働くときに苦労するポイント3つ

1つ目は、高い男性性(95)

海外に渡航する日本人は、現地の従業員が、目標に対する熱意や責任感が足りないと感じることが多いです。

この点で嘆いている海外駐在員は、感覚的にもとても多いですね。

2つ目は、不確実性の回避(92)

典型的な例では、プロジェクトのスケジューリングや提案資料の作成時に顕著に表れます。

例えば提案資料の作成では、Q&A(質疑応答)に備え、あらゆる質問に回答できるよう、相当の時間を割いて準備をします。

一方、日本以外の国ほとんどでは、日本と比較するとQ&Aの準備は足りず、日本人には物足りなく感じてしまうようです。

3つ目は長期志向(88)

何か問題が生じたとき、日本以外の国では、生じた問題”のみ”を解決するために行動しがちです。

一方で日本人は、生じた問題だけでなく、他にも影響がないか、将来にも影響が及ばないかまで想像力を張り巡らせてから判断します。

結論:日本人は、外国人からしたら不必要と思うことに時間をかけて、遅くまで残業している、妥協しないマジメな人たち。

このように見られていることが多いです。

異文化理解:ホフステードの6次元モデルをもっと知りたい


出典:Amazon

グローバル人材を目指す方は、「経営戦略としての異文化適応力」を読むことをお勧めします。

現代のビジネス環境の具体例をふんだんに使いながら解説しているため、すっと頭に入ってきます。

\「経営戦略としての異文化適応力」の購入はこちら/

【参考】エリンメイヤーの「異文化理解力」

なお、ホフステード博士以外に、異文化理解・コミュニケーションの権威として、エリンメイヤーの「異文化理解力(Culture Map)」が挙げられます。

\エリンメイヤーの「異文化理解力」の購入はこちら/

文化を測る8つの指標を、日本のグローバル人材が陥りやすい失敗事例を用いながら解説していますので、興味があればご覧ください。

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異文化コミュニケーションスキルを身に付ける方法6つ

異文化コミュニケーションで大切なこと6つです。

異文化理解力を身に付ける上で大切なこと6つ
・大切なこと①:英語を身に付ける
・大切なこと②:子供のように何でも好奇心を持つ
・大切なこと③:疑問は何でもぶつける
・大切なこと④:自習をする(本を読む)
・大切なこと⑤:積極的にコミュニケーションを取る
・大切なこと⑥:現場に足を運ぶ

異文化コミュニケーションを身に付ける基本的な姿勢として、常に相手の立場からものを見ようとすること、そして相手への敬意を忘れないようにしましょう。

大切なこと6つを身に付けるための具体的な方法を、以下の記事に掲載しているので、是非ご覧ください。

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【必須】異文化理解力を身に付ける上で大切なこと6つと気を付けるポイント2つを解説
異文化理解力を身に付ける上で大切なこと6つと気を付けること2つを解説します。異文化理解力はグローバル人材に必須です。たいせつなこと6つは、1)英語を身に付ける、2)子供のように好奇心を持つ、3)疑問は何でもぶつける、4)自習をする(本を読む)、5)積極的にコミュニケーションを取る、6)現場に足を運ぶ、です。

記事は以上です。

この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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