こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x 海外MBAを保有しているマサ (@mappyinME) です。
グローバルに活躍する人材から、海外で活躍するために必要なスキルやマインドセットをインタビューを通じて学んでいきます。
今回は、英国ロンドンに2年間海外駐在され、現在は独立し「グローバル・コネクト株式会社」の創設者の関口千恵さんにお話を伺いました。
・海外駐在の実体験談(良い点や苦労)
・グローバルに活躍するために必要なスキルやマインドセット
・グローバル体験が起業にどう活きるか
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【体験談】海外駐在の出口戦略|ソフトスキルと資産を構築。チャンスを拡げ起業へ
関口千恵さんのキャリア
※海外歴は、大学3年生の時に1年、アメリカに交換留学をしたのと、証券会社時代のロンドン勤務2年のみです。大学以前は、海外居住経験はありませんでした。
それでは、関口さんにグローバルで活躍するコツを聞いてみましょう。
海外駐在員時の仕事内容
—-当時勤務されていた野村證券の現地法人の業態、当時の千恵さんのお仕事内容とポジションを簡単にご紹介お願いいたします。
野村は、2008年の経済危機リーマンショック直後に、同社のアジアと欧州等のビジネスを承継しました。
私がロンドンに赴任したのはそれから約2年半後のことで、既に統合のプロセスが進んでいました。
野村側が買収したとはいえ、リーマン・ブラザーズの人材の質が非常に高い状況でした。よって、多くの主要ポジションにリーマン出身者が就いていました。
日系企業のような外資系企業のような、不思議な状況でした。
私はオペレーションズと呼ばれる、フロントビジネスのバックオフィス部門に勤務していました。
組織のグローバル化が進む中で、人材育成と現地の業務の可視化の目的のために、若手社員の海外アサインメントの機会が設けられ、私はそこに選んでもらった形です。
ポジションは、アナリストという一スタッフで、業務内容としては現地の社員と全く同じことが求められました。
日本人であることを活かせる業務がほぼ存在しなかったのでハードでしたが、スキルを身につけるという意味では恵まれていました。
海外駐在員に選ばれたきっかけは?
—-千恵さんは、あまりご希望されていない中で海外駐在員に抜擢されたと伺いましたが、ご自身が選ばれた理由はなんだったと思いますか?
目の前の仕事を頑張っていたのが良かったからだと思います。
当時は、配属された部署の仕事が自分に合わないと感じていたので、実は転職活動もしていました。とはいえ、現業を疎かにするのもよくないと思っていました。
年齢層の高い組織で、若手には新しい風を入れることが求められていると思ったので、周りの人を巻き込んでいつも色んな提案をしていました。まだ入社1~2年目の頃で、内容的にはめちゃくちゃだったんですが、よく耳を傾けて下さったなと思います。
そうしたことがあってか、海外アサインメントのプログラムが出来た際に、お声がけを頂きました。
組織で働く以上、仕事が合わないと思っても、まずは何か興味の持てることを見つけて頑張るというのは、一つなのかなと思います。
TOEIC 990点満点を取得しても不便はある
—-TOEIC 990点満点は本当に凄いですね。並大抵の努力では実現できないと思いますが、どのように取得されました?また、海外勤務では役に立ちましたか?
英語力のベースは、中高時代にひたすら洋書を読んだことが役立ったと思います。
中学時代は、アメリカの子供向けの本「大草原の小さな家(Little House on the Prairie)」など子ども向けの本から始め、高校2~3年生になると大人の本が読めるようになっていました。
そのおかげで、大学に入った際にはTOEICが900点ありました。
今はついAI翻訳を使ってしまうことも多いと思いますが、もし英語を身につけたいならリーディングは外せないと思います。
とはいえ、大学3年生で交換留学をした際は、リスニングが太刀打ちできませんでした。よく「3ヶ月したら、ある日突然英語が聞こえるようになった」みたいな話を聞きましたが、私には全くそんなことは起きませんでした。
1年経っても大して変化を感じられずに、ずっと相手が言っていることが分からないまま、当てずっぽうで会話していました。
みんな「質問した内容と違うんだけど・・」と思っていたんじゃないでしょうか。
そこからロンドンに行くまで、約5年の期間がありました。その間は、ときどき英語のポッドキャストを聴いていたため、ロンドンに赴任した際は、よく知っている仕事の話であれば、大体聞き取れるようになっていたと思います。
帰国後、TOEICを受けたら990点になっていましたが、実はそれでも英語に困ることはいくらでもあります。
よく点数を聞いてスゴイって言って頂くんですけど、今でも全然不自由してるので、外国語なんて所詮そんなものだと思います。
不自由にいかに慣れるかが大事ではないでしょうか。そして、やはり時間はかかりますよね。
海外駐在員時の貯蓄が起業に役立った
—-少し突っ込んだ質問ですが、海外駐在員は待遇がかなり良いため出稼ぎと呼ばれています。その点、いかがでしたか?
私の場合、現地の人と同じ仕事に人材育成の目的でアサインするというタイプの赴任だったので、ライトパッケージと言われる一般の駐在員よりは少し軽めのパッケージが適用されました。
それでも、どんどんお金が溜まっていった記憶はあります。あの頃の貯金がその後の起業に役立ったので、非常に感謝しています。
私が渡航する少し前までは、ビザが勤務先と紐づいておらず、同じビザのまま現地の別の会社に転職することが可能でした。
でも、私の時には勤務先企業がホストする形態になってしまったので、会社が決めた赴任期間を終えたら、学生ビザなどに切り替えない限り帰国が必須でした。
もし、長期的に海外でキャリアを築きたい場合は、外資系企業に勤めて海外のオフィスにトランスファーするのが良いと思います。その後勤めた会社では、そうした人を時々見かけました。
デメリットは・・駐在すると、大手企業の場合20代の若手社員でも本当にいい生活ができるんですよね。それで、何か勘違いしてしまうリスクもあるかなとは思いました。
特に今は、日本の会社が本当に頑張らないといけない段階なので、きちんと現地の優良企業の人たちとコネクションを作って、学ぶ必要があると思います。
辛口ですが、日本人として日本の会社に頑張ってもらいたいので、書いてみました。
海外駐在で大変だったこと
—-海外駐在では、現場と本社の板挟みになったり、異文化に適応できずに苦労する人、考えていた仕事が出来ずにギャップに苦しむ人も多いです。千恵さんは、駐在時代に大変なことはありましたか?
当時はギリシャ危機が起き、欧州の業績が最悪でした。私がいた2年間で、約3分の1の人員削減があり、私がいたチームも、ごそっと人がいなくなりました。
そうなると、優秀な人からドンドン転職してしまって、組織が疲弊していきます。
私は、本社からの出向で来ているから、切られることはないというのは周りの人も分かっているので、「あんたはいいよね」と言われたりもして、立ち回りには苦労しました。
でも、私をロンドンに送ってくれた日本の上司が、「こういうときに人がどう動くかをよく見ておけ」とアドバイスをくれたのがとても印象に残りました。
粛々と自分の役割と果たしつつ、こういう時はマネージャーとスタッフ層の関係性がこんな風になるんだとか、噂ってこんな風に伝播してくのかとか、仕組みを逆手にとって好き勝手やる人が出てくるんだ・・とか、負荷のかかった組織のリアルを学べたのは勉強になりました。
海外駐在で得たものは「グローバル環境でも働けること」
—-苦労も多いと思いますが、一方海外で働いていて良い点もあると思います。海外で働くにはどんなメリットがありますか?
英語のネイティブスピーカーに囲まれた環境でも、仕事ができるという自信はつきました。
しかも、チームのメンバーがほぼ全員白人であまりダイバーシティーのない環境だったので、アウェイな環境で生き抜く耐性がついたと思います。
現地のインターンや新卒の子たちと一緒に仕事をする機会があって、英語力はイギリス人である彼らの方がずっと上だけれど、仕事面ではサポートしてあげられることもありました。
その時、もし将来外国人の部下を持つことがあっても、日本人とあまり変わらない感覚を持てそうだなと思えたことは良かったです。
海外駐在を経て起業!ロンドンで受けたコーチングがきっかけに
—-千恵さんは、デロイトでの職務経験を経て、現在は「海外販路開拓のコンサル」、「経営者向けの英語コーチング」で、グローバル・コネクト社を設立されていますね。独立、起業に海外駐在経験がどのように生きていますか?
まさにロンドンで働いたことが、独立のきっかけとなっています。
当時、仕事の後や休日に趣味で色んな授業をとっていて、その際にコーチングに出会いました。
誰かが叶えたい目標に向かって頑張るのを隣でサポートするというコーチングは、まさに私のためにある仕事だと思い、自分のアパートで無料でセッションを始めたのが今の仕事の原点です。
サラリーマン家庭で育った私には、起業って全くイメージが湧きませんでした。でも、当時たまたま自分でビジネスをしているイギリス人の友人がたくさんできて、そうした働き方を学ばせてもらったことも大きかったです。
—-千恵さん、ありがとうございました!
まとめ:グローバルに活躍する日本人には法則がある
関口さんのインタビューを通じて改めて各章を得られたことは、海外駐在に選ばれ、結果を出すには一定の法則があるということ。
・いまの仕事に全力を尽くす
・自己研鑽、新しい経験を常に求める
・柔軟性とやりきる責任感
関口さんは、海外駐在で培ったソフトスキルや経験、そして貯蓄という資産を用いて転職・起業。
海外駐在後、日本帰国後のポジションでの権限のなさから仕事を辞めるというネガティブなケースが多いですが、関口さんは、出口戦略まで完璧に実現しており、1つのモデルとなる海外駐在のパターンではないでしょうか。
関口千恵さんに相談したい方はこちら
関口さんは、個人・法人向けに「使える」英語の習得と、海外でのビジネス機会の創出をサポートするビジネスを立ち上げています。
直接相談したいという方は、以下のURLを参考にしてください。
特に英語学習はオーダーメイドなので、「直ぐに結果を出したい」という方にはうってつけです。
加え、関口さんは明日香出版社より「捨てる英語勉強法」を出版されていますので、ご興味ある方は是非お手に取ってみてください。
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