【新興国駐在体験談 vol.3】入社3年目で海外赴任したら地獄だった(サウジアラビア業務研修編)

海外駐在 & ワーク
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こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x 海外MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

この記事は、「【新興国駐在体験談 vol.2】入社3年目で海外赴任したら地獄だった(エジプト語学研修編)(リンク)」の続きです。

前回までのあらすじ:
「Yahoo!探検部」からエジプトでのアラビア語研修を終えたまさ。語学だけでなく、宗教の理解や自分の頭で考え行動する力、危機管理能力を身に付け、海外研修は後半の2年目へ。業務研修は舞台を移しサウジアラビア、ここでのお話です。

「海外駐在ってどういう仕事をするんだろう?」
「ゴリゴリの日系企業に行くとどういう生活が待っているのかな・・・?」

このような疑問にお答えする記事となっています。

それでは見ていきましょう。

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サウジアラビアで業務研修


筆者撮影:海の上のモスク@ジェッダ

エジプトで、UAE統括オフィスの社長より「サウジアラビア事務所を設立する。所長と2人で事務所を立ち上げ、サウジのビジネス拡大をお願いしたい。」と、信頼を寄せ、大変貴重なアサインメントを頂きました。

こんなサウジでの胸アツなアサインメントの話に移る前に、いま一度マサの経歴を振り返ってみましょう。

マサの職務経歴

・1年目:家電量販店で販売実習
・2年目:Yahoo!探検部にてインターネットサーフィン
・3年目:アラビア語学習と市場調査

はっきり言って、新入社員です。

ポケモンで言うと、マサラタウンの周りのコラッタを10匹くらい倒したヒトカゲくらい弱いです。

資格を数多く保有していたため知識はかなり豊富でしたが、いかんせん実践経験がほぼゼロ

僕もそうですが、僕と一緒にサウジに行く駐在事務所の所長さんも大変ですよね・・・。

サウジに着いていきなりラマダン

最初は、取引先の事務所を間借りしつつ住居は1カ月ほどはホテル暮らし

サウジでは、駐在員は「コンパウンド」という施設内で生活するのですが、日本人が住んでいる所はどこも一杯・・・ホテル暮らしをしながら、代替案を探すことに。

そんな中、ラマダンが始まりました。

ラマダンとはイスラム歴の断食月で、イスラム教の戒律である5行のうちの1つで、日の出から日の入りまで一切の飲食が禁止となります。


サウジのラマダン風景

ただサウジアラビア、聖地メッカを擁するイスラム教を代表する国だけあって、ラマダンの徹底ぶりが凄く生活に大変な影響が出ました。

以下はその一例です。

ラマダン中のサウジ

・業務時間:2部制(10:00~12:00、22:00~2:00)
・レストラン:断食の時間内は全て閉店

定時が朝の2:00までって・・・しかもレストランも開いておらず、食べられるものはルームサービスのみ。

これがのちに、大きな影響を与える事になります。

特命プロジェクトへの任命

ラマダンを終えたころ、僕はホテル暮らしが耐えられなくなっていました。(特にホテルメシ。高いし飽きる。)

行動力が高かった僕は、家電のディーラーが集う地域で、即入居できそうな家を徒歩で探すという暴挙に出ました。笑

結果、ネズミは出るわ、勝手に家のオーナーが入ってテレビ見ているわで、とてもエキサイティングな所でした。


歩いて見つけてその場で価格ネゴして入った住居

家を見つけたら、またUAEの地域統括の社長からお呼びが。

現地(UAE)社長:

サウジの代理店の社長からでっかいビジネスの話が持ちかけられて、それを受けるつもりだ。
ただ、通常1年かかるものを4か月でやらねばならない。マサ、お前が主担当でやってくれ。

おぉ・・・そんな大事なプロジェクトの主担当に僕を・・・燃えないはずがありません。

快諾し、4か月間特命プロジェクトに専念するためサウジを離れる事に。

ただ少し立ち止まって、もう一度まさの職務経歴を見返してみましょう。

マサの職務経歴

・1年目:家電量販店で販売実習
・2年目:Yahoo!探検部にてインターネットサーフィン
・3年目:アラビア語学習と市場調査

たぶん見ていて分か方もいらっしゃると思うのですが、「無理ゲー」です。

Lv.6のヒトカゲが、四天王のカンナに挑むレベルです。

そもそも、相当な経験がある従業員がやっても超難易度が高いプロジェクトで、各関係者の強いサポートがないと100%成功しないものです。

やること一覧

・商品企画・提案と社内の承認
・収益の計算
・お客さんとの価格・条件交渉
・サプライヤーとの価格・条件交渉
・ロジスティクス
・船の手配
・品質認証
・お客さんからの支払い回収
・アフターセールス
・生産の管理
・契約書の作成、など

そしてプロジェクトは始まった・・・。

特命プロジェクト中のスケジュール

僕が出来ることは、スケジュールを立てて、分からないことを学びながら、1つずつ地道に前に進んでいくことでした。

そのためには、「時間」を大量に投資する必要がありました。

そのうえ、お客さんはサウジ、サプライヤーは中国

お客さんとはドバイで商談を行いましたが、サプライヤーは中国にあったため、価格や条件交渉、生産の計画などは、現地で行うのがベストな選択でした。

そうなると、僕の1週間のスケジュールはこうなるわけです。

プロジェクト中の地獄のスケジュール

UAEは金土が週末である一方、有難いことに中国のサプライヤーは土曜日も営業していました。

これを利用して・・・

・木曜:深夜まで働いてそのまま香港へ
・金曜:昼に香港へ到着し、フェリーで中国へ
・土曜:サプライヤーと商談、夜のフライトでUAEへ帰国
・日曜:商談結果を受けて、夜のお客さんとの交渉の準備

「寝る間がない」とはこのことを言いますね。

ただ、このようにがむしゃらに行動していたことで、特に社内で、プロジェクトを見る目が変わってきました。

今まで否定的だった人たちも、社内承認で積極的にサポートや例外的な対応をしてくれたり、品質検査も普通よりも相当早いペースで完了してくれたりと、風向きも良い方向に変わっていきました。

UAE地域統括会社としても絶対に成功させたいプロジェクトであったため、僕自身も色々なところに足を運びました。

例えば・・・

足を運んだところの例

・中国内陸部にある船会社の本拠地
・フィーダー船を手配している乙仲(中国の安アパートの一室でした笑)
・第三者認証機関のオフィス
・港湾で商品を積んだコンテナを見学、など


訪問したコンテナヤード

メンタルに最も堪えたできごと

このように、1つずつ着実に学び進めていく中で、ある日取引先の社長から当社の社長へ1通のメールが。

サウジの取引先の社長:

「マサは同じことを何回も当社の従業員に確認して、とても非効率、迷惑。正直、能力が低い。プロジェクトの遂行に相応しくないので、もっと能力のある優秀な人に代えてほしい。」

・・・マジか。

僕を㏄に入れる必要ある?

彼にとっては、僕が命を削って頑張っているとかは関係がないので、単純に僕みたいな新米に任せるのが不安だったのでしょうね。(もしくは嫌いか)

結局、僕が代わることはなくそのまま進んだので、上の方々が取引先の社長を説得してくれたのかと思います。

その他、人生で最も怒られ、罵倒された期間でもありました。

「マサの暴走を止めろ」とか「あいつは何もわかっていない」とか「いったい何してるの?話なにを聞いてたの?」とか「氏ね!」とか・・・。

仕事が大変で睡眠が短いのは、目標があるので何とでもなります。

ただ、言葉の暴力は本当に応えますよね・・・

 

この経験から、頑張っている人間に対して罵倒をするような人間には絶対になるまいと心に誓いました!(怒)

特命プロジェクトは成功!

業務の超多忙や人間関係で辛いこと、人の優しさに触れたこと、学んだことが本当に多くありました。

色んな方の協力があり、4か月でなんとか新製品を出荷し導入することに成功しました。

正直言って、当時は達成感よりも、「週末普通に休める」とか「平日に寝られる」という喜びの方が遥かに大きかったですね。


プロジェクトの最終日

そしてサウジに戻ると・・・

特命プロジェクトを終えてサウジに戻ると・・・

なんと、残りの数カ月は1人で駐在事務所を運営することとなりました。


ビンラディングループの正門

理由は、ラマダンで生活や食のペースが乱れた所長が、健康を害して病床に臥せ、急遽帰任する事になったためです。

特命プロジェクトでビジネスを一通り全て学んでいたため、サウジの駐在事務所の運営や代理店とのビジネス交渉などは、既にある程度できるようになっていました。

そのため、数カ月サウジで1人で働きつつ、最後は事務所を畳んでUAEに戻ることとなりました。

こうして劇的な1年を終えたのであった。

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そしてUAEへ

サウジアラビアでの業務研修も1年が過ぎようとしていた頃、UAEの地域統括事務所に呼び出しがあり、改めてアナウンスメントが。

現地社長

命令おじさん
命令おじさん

研修2年間、お疲れ様。これで海外の研修は終わりだけど、次はまさにも駐在員としてドバイで働いてもらおうと思っている。おめでとう!

死ぬほど辛いプロジェクトでしたが、こんな新米に任せてくれた社長、サポートしてくれた方々には、今でも感謝しています。

未だにこれ以上にやりがいのある、辛い仕事に出会ったことはなく、僕のキャリアでの一番の誇りとなりました。

そして、僕のUAEでの駐在員生活が幕を明けることとなりました。

次の地獄が待っているとも知らずに・・・

To be continued

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【所感】2年間の海外業務研修を終えて


2年目は全くもって業務研修ではなかったですが、人生でもなかなかない貴重な体験をすることができました。

商品企画の上流から実際にモノを販売する下流までを、1人で一貫してみる機会は大企業だと経験することが出来ません。

そのため、このような経験は転職活動でも高く評価され、実際に転職した後もビジネスがどのように流れているのかだいたい理解できます。

これが僕の思う「新興国のダイナミクスで、既に確立したプロセスの存在する先進国拠点では、こんなアジャイル(軽快)に大きな意思決定をすることはありません。

ましてや、紹介した特命プロジェクトを新入社員と同等の授業員に任せることはほとんどないでしょう。

活きた経験を積みたい方は、ぜひ、規模の小さい新興国の拠点へ赴任してみてください。

海外業務研修で学んだこと3つ

・ビジネスの上流から下流まで全てのプロセスと実務
・プロジェクトマネジメント
・部門横断のリーダーシップ

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【UAE駐在編】はこちら↓

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