【徹底解説】 異文化理解力を深める方法7つを紹介|海外留学・勤務者は必須

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こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

仕事や留学で、外国人と過ごす機会が増えてきました。外国人と気持ちよく働いたり、共に学ぶために、異文化理解力を深めたいのですが、良い方法はありますか?

はい、あります。

僕は、いままで5カ国で7年以上働き、かつ多国籍の学生が集うスペインのie ビジネススクールでMBAを取得しました。

イスラム圏やアフリカ諸国、欧米諸国の人々と仕事やグループワークを共にし、異文化理解力を深めたので、その具体例や方法を記事にまとめました。

この記事でわかること

・異文化理解力とはなにか
・異文化理解力を深めるべき理由3つと具体的な失敗事例
・異文化理解力を深める方法7つ

それでは解説していきます。

【徹底解説】 異文化理解力を深める方法7つを紹介|海外留学・勤務者は必須

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異文化理解力とはなにか

異文化理解とは、自分の文化を理解し、
自分とは異なる考え方や価値観を受け入れること

異文化理解というと、海外のことを指すと思いがちですが、日本国内にも異なる考え方や価値観が存在します。

例えば、世代や年齢、性別が異なると考え方や価値観が異なり、歩み寄るには異文化理解が必要となります。

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異文化理解力はなぜ必要か?理由3つ

異文化理解力が必要な理由は以下の3つです。

異文化理解力が必要な理由3つ

・日本在住の外国人が増え、これからも増加の見込みだから
・外国人と働き成果を出すため
・グローバル人材に必須のスキルだから

理由①:増加する在日の外国人

2021年時点で、日本に在留する外国人は276万人と、コロナの影響で減少したとは言え、増え続けているからで、この数字は今後も伸びていくでしょう。(2010年:209万人→2019年:293万人*、年率伸び率は+4.5%)
*COVID-19発生の影響を除くため、2019年のデータを使用。

在留外国人の国籍と所在地のトップ5は以下の通りです。

国籍別の在留外国人トップ5
・1位:中国(約75万人)
・2位:ベトナム(約45万人)
・3位:韓国(約40万人)
・4位:フィリピン(約28万人)
・5位:ブラジル(約20万人)
在留外国人が多い都市トップ5
・1位:東京(約54万人)
・2位:愛知(約27万人)
・3位:大阪(約25万人)
・4位:神奈川(約23万人)
・5位:埼玉(約20万人)

出典:出入国在留管理庁

理由②:外国人と働き成果を出すため

日本で成果を出し、優秀と言われている日系企業の海外駐在員ほど、海外に行って、異文化の壁にぶつかることが多くあります。

日本で求められるスキルと、海外で求められるスキルは文化の違いから往々にして異なることが多いためです。

更に日本で優秀とされている人は、日本で結果を出した方法に固執してしまい、現地の従業員とチームと上手く協力することができないことはよくある話です。

理由③:グローバル人材に必須スキルであるため

先ずはグローバル人材の定義から見てみましょう。

日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材

出典:総務省 グローバル人材育成の推進に関する政策評価

グローバルで仕事をしていて痛感するのは、「日本人としてのアイデンティティ」を深く理解した上で、異文化理解の精神を身に付ける事は、極めて大切ということです。

異文化を理解せず、自文化を相手に押し付けるとどうなるか、3つの事例を見てみましょう。

1つは、イスラム文化に対する対応を企業が誤ったため、味の素の現地社長が逮捕される事態に発展した事件です。

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【事例3つ】異文化理解力が不足するとどのような問題が起きるか

日本人のグローバル人材で、異文化理解力が不足するとどのような問題が起きるか、実際の事例を用いながら解説していきます。

日本人の事例は、ドイツ駐在の29歳の中堅社員のAさん、南アフリカ財淳35歳のマネージャーのBさんの2つをピックアップします。

もう1つは、企業として異文化への対応を誤った例です。

事例①:ドイツ駐在のAさん29歳


Aさんは、メーカーに勤める35歳の中堅社員で、日本の本社の海外営業で欧州担当として13年働き、実績が認められてドイツの販売会社に海外駐在することに。

赴任先は、日本からやりとりをしていた相手であったため、顔も知っているし、日本とドイツと、離れながらも仕事も一緒にしてきました。

自信を持って赴任するも、チームとはうまく仕事が進められないことに気づきます。

問題1:社内での議論の仕方1つ取っても、異文化が浮き彫り

Aさんが、来年度の営業計画を作成し上司とドイツ人の意見を聞きに行ったら、日本では信じられないくらい強い口調で、ネガティブなダメ出しばかり。

面食らって気分を害するも、同じような会議が何回も続きます。

そのため、Aさんと現地人チームの雰囲気は次第に悪くなっていきました。

問題2:ドイツの販売会社で働き始めて6ヶ月後、初めてドイツ人上司との中間面談

世間話もほどほどに、上司からフィードバックを受けます

その口調はかなり強いもので、ダイレクトな表現でAさんの仕事の仕方をダメ出しされます。

Aさんは、1年経たずしてすっかり疲れてしまいました。

事例②:南アフリカ駐在のBさん(35歳)

日本の旅行代理店に勤めているBさんは、今後事業の拡大が見込まれる南アフリカ拠点の拠点長へ抜擢されました。

現地拠点の日本人はBさんだけで、他は全員南アフリカ人です。

やる気に満ち満ちており、南アフリカビジネスを拡大するための計画(本社で承認済)を持って、意気揚々と南アフリカ拠点に赴任しました。

問題1:伝わらない熱意

着いて早々挨拶を済ませると、早速従業員を集めて、南アフリカ拠点を拡大するためのプランを披露し、Bさんの駐在中にビジネスを3倍にすると意気込みます。

日本と同じように、計画を実行に移すための細かいプランを現地人に作成させ、実行案の詰めが甘いと何度もやり直しさせます。

外国人はダイレクトに物事を表現するからと、オブラートに包まず率直に伝えていきます。

寸暇を惜しんで仕事をするBさんを横目に、現地の従業員は、仕事を終えずに定時に帰宅してしまい、「現地人はやる気がない」とBさんは落胆し始めます。

それでもBさんはめげずに、「熱意はきっと伝わる」と信じ猛烈に働きます。

問題2:そして人が辞めていく

3か月経つと、1人が悪いけどあなたにはついていけない。会社を辞める」とBさんに告げます。

それから毎月1人ずつやめ、新しい人を雇っても数カ月経たずして辞めてしまいます。

事例③:インドネシア味の素事件

2000年にインドネシアで「味の素」の原料にイスラームの食品禁忌(ハラーム)とされている豚肉が使用されている疑いがあるという噂が流れた。材料としては豚の成分の使用は無かったが、発酵菌の栄養源を作る過程で触媒として豚の酵素を使用していたために、現地法人の社長が逮捕された事件。

出典:Wikipedia

イスラム教徒は、宗教上の理由から豚肉は食しません。

他の食用肉も、イスラムの教義に則った上で屠殺された肉を食することを推奨されています。

ムスリムは、他にも生活上でも多くの宗教上の習慣が日常生活に入り込んでいるため、異文化理解≒イスラム教理解と言っても過言ではありません。

企業としても、特に気を遣うべき地域ですね。

3事例とも異文化理解力の不足が招いたこと

3事例とも、日本とドイツ、南アフリカの異なる文化の差異が顕著に出た例ですが、はいて捨てるほど、ありふれた話です。

日本は、「調和を重んじ人前で意見を言わない一方、昇進や昇格などの社会ステータスを至上目標に、家庭を顧みずに働く」という世界的に、非常にユニークな民族です。

そのユニークな価値観を全面に押し出すと、本人や仕事相手のストレスと大きく溜めてしまうことになります。

僕が駐在する南アフリカでの、南アフリカ人と上手く仕事をこなし成果を出す方法について、実例を載せているので興味のある方はどうぞ。

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【MASAのコラム】南アフリカ人と働き成果を出す方法5つ。異文化を理解しマネジメントする(実体験から)
【MASAのコラム】南アフリカ人と働き成果を出す方法5つ。異文化を理解しマネジメントする観点から実体験を基に提案します。1)指示の粒度を上げる、2)役職を超えたコミュニケーションを受け入れる、3)決断を下す、4)反対意見を受け入れる、5)柔軟な対応をしつつ全体感は持つ。南アフリカで仕事を見つける現実的な方法も紹介。

異文化理解力を深める方法7つ

異文化理解力を深める方法を7つを解説していきます。

異文化理解力を深める方法7つ
・方法①:英語を身に付ける
・方法②:子供のように何でも好奇心を持つ
・方法③:疑問は何でもぶつける
・方法④:自習をする(本を読む)
・方法⑤:積極的にコミュニケーションを取る
・方法⑥:現場に足を運ぶ
・方法⑦:チーム内でルールを作ってしまう

1つずつ、具体的にどんなことか解説していきますね。

方法①:英語を身に付ける

異文化理解を始める前に、英語を身に付けましょう。

語学が出来ないと、異文化理解以前にコミュニケーションが出来ません。

「数ある語学のうち、なぜ英語なの?」という疑問の声が聞こえてきますが、理由は、英語は約15億人に話されており、世界一使われている言語だからです。

2022年:最も話されている言語

出典:Statista

人口が多い中国の中国語、インドのヒンディー語を学んでもいいんじゃないの?という疑問が浮かんできます。

いえ、英語がベストです。

理由は、1英語話者の5億人の中には「ノンネイティブスピーカー」が相当数含まれているため、英語を母国語としない国の多くの方とコミュニケーションが取れるからです。

中国語とヒンディー語は、ほぼ母国語とする人で占められています。

スペイン語やフランス語も、英語と同様に世界に話者が多いので、第二外国語として学ぶのはアリです。ざっくり、スペイン語=南米圏フランス語=アフリカ圏、です。

英語の目安や身に付け方は、以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はご覧ください。

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方法②:子供のように何でも好奇心を持つ

相手の文化に好奇心を持つ、これが最も大切です。

自分とは異なること、例えば生活習慣の違い、仕事の進め方の違いなどに、単純に興味を持つことです。

「なんでそういう行動をするんだろう?面白い!」この姿勢が大切です。

個人的には、例えば「イラっとしたとき」や「違和感を持ったとき」は、自分の視野を広げる良い機会ととらえ、必ず現地の方に質問するようにします。

方法③:疑問は何でもぶつける

疑問点は、遠慮なく相手にぶつけましょう。

ここで1つ、留学生や海外駐在員しても、語学も異文化理解力が磨かれず帰ってくる典型例を紹介します。

それは、日本人同士で固まり、現地人とは最低限のコミュニケーションしかしないということです。

えー、そんなことある?

異国で生活するのは不安が付きまとうため、同じ語学、感覚で話せるコミュニティというのは心地が良いもので、そうなったしまう日本人はとても多いです。

僕も、とてもよく理解できます。

一方で、僕らが思っている以上に、現地の方は、外国人がどの程度現地に興味を持ち、溶け込もうと努力しているのか、その姿勢を見ています。

疑問をぶつける利点は、異文化理解だけでなく、実は相手に好感を持たれるという点も忘れてはいけません。

自分に好奇心を持ってくれると、人間、共通して嬉しいものです。

現地人に好感を持たれると、更に交流の機会が増え、異文化理解の機会が更に増えますよ!

方法④:自習をする(本を読む)

異文化理解を実践する前に、書籍を読み自分なりの仮説を立てることをおススメします。

自分なりの仮説を立てると、いざ異文化コミュニケーションの場に立ったとき、相手の反応を見ながら仮説検証が出来ます。

そのため、異文化を理解するスピードがダントツに早くなります。

加え、自分の文化・相手の文化の傾向を理解していれば、全く予想外の事態に陥ることは、かなり少なくなるはずです。

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近日公開予定

方法⑤:積極的にコミュニケーションを取る

キーポイントは、「自分から」積極的にコミュニケーションを取ることです。

外国人が皆、アメリカ南部やアフリカ人みたいに積極的に話しかけてくれるとは限りません。

初海外で、英語の会話にも自信がない人はかなりハードルが高いですが、ここは勇気を出して一度自分から話しかけてみましょう。

一度トライすることで、二度目、三度目のハードルがグッと下がります。

方法⑥:現場に足を運ぶ

英語を身に付けて、異文化理解の本を読み事前学習したら、次はいよいよ実践です。

異文化理解力を身に付けるのは、やはり実際に異文化に身を置くことです。

海外旅行、1カ月の短期留学、海外ボランティア、何でも良いです。

海外旅行でも、空港でチェックインしたり公共交通機関を使うのも、全て勉強になりますよね。

ただ可能であれば、6カ月以上は現地に滞在しましょう。

日常の些末なこと、例えばスーパーで買い物する、外食する、バスや電車の予約を取る。

こんなところに、異文化理解のチャンスは数多く転がっています。

例えば、多くの海外では電車は10~15分遅れます。あまりに日常であるため誰も文句を言いませんが、日本人にとっては驚愕です。

方法⑦:チーム内でルールを作る

前の6つの方法と少し毛色が違いますが、自分で率先して、チーム内でルールを作るという方法もおススメです。

多国籍のメンバーが集まるMBAでは、グループを作ると同時に、先ずは”Working Agreement”なるものを定めます。

大したものではなくて、チーム内で「どうしても譲れないポイント」を議論して、ルール化するのです。

MBAのWorking Agreementの例
・アジア時間の夜22:00以降は会議禁止
・日曜(キリスト教の休み)・金曜(イスラム教の休み)は会議禁止
・ミーティング前までに割り当てられた課題は事前にこなしてくる
・リーダーは毎課題変更し、最終決定はリーダーが下す
・意見は積極的に発信、建設的に
・3P(Punctual, Present and Participate) →定刻にキチンと参加し、意見を発信

このように誰でもわかるように取り決めをしておくと、「チームでの独自の文化」を醸成することができ、いざ何か問題が起こったときに解決が容易になります。

必要なら、書面に残していつでも引っ張ってこれるようにしましょう。

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自由参加の講座

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2024年 Global BootCamp 第3期の情報収集はこちら

情報収集に登録して下さった方には、第3期の募集の際にご連絡させて頂きます。

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記事は以上です。

この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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