こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。
海外の会社に、現地採用で働こうと思っているけど、メリットやデメリット、そして調べる際の注意点を知りたいなー。
この記事では、このような疑問に答えます。
僕は、日系企業の海外駐在員として5カ国で7年以上海外で勤務しており、駐在だけでなく、現地採用の方と働いたり、採用に関わってきました。
その知見をこの記事で余すことなく、具体例を用いながら解説していきます。
・海外現地採用の3つのタイプ
・海外現地採用のメリット8つ
・海外現地採用のデメリット3つ
・海外現地採用の注意点4つ
それでは解説していきます。
【徹底解説】海外で現地採用として働くメリット8つとデメリット3つ|海外駐在員との比較も
海外で働く方法5つ(大学生も可能)
・海外で現地採用
・海外駐在員として出向
・ワーキングホリデー
・フリーランスで海外移住
・国際機関、大使館、青年海外協力隊やNGOで働く
海外駐在員に興味がある方は、以下の記事を読めば一通りのメリット・デメリットを理解することができますので、ぜひご覧ください。
\海外駐在員に関する記事はこちら/
1つ、大学生でも海外の大使館・領事館で~2年間働くことができる「在外公館派遣制度」があります。
【派遣員制度について】
外務省在外公館派遣員とは、労働者派遣法の下で、わが国の在外公館(大使館、総領事館、政府代表部、領事事務所)に原則2年の任期をもって派遣され、主として館務事務補佐などの実務面にあたる傍ら、国際社会での経験を積み友好親善に寄与してもうとするものです。
具体的な仕事の内容は在外公館によって異なりますが、主に語学力を活用した様々な業務の支援を行うこととなります。これには公用出張者が来訪する際の空港における作業やホテルの予約及び会計、庶務など部署での文書作成や対外的な折衝への立ち合い等が含まれます。
令和2年4月1日現在、214公館に248名を派遣しています。
条件は高卒・日本国籍・普通免許を有するの3つです。
南アフリカにも、この制度を利用して働いている大学生の方が多くいらっしゃいました。
海外現地採用とは?3つのタイプ
海外現地採用とは、海外の会社に直接雇用されることです。
一口に海外現地採用と言っても、方法は3つあり、それぞれ難易度は異なります。
・日系企業の海外支社(e.g. ベトナムのソニー)
・海外の外資企業(e.g. 南アフリカのPwC、シンガポールのAmazon)
・海外の現地の企業(e.g. ペトロナスのマレーシア本社、ロレアルのアメリカ本社)
最も難易度が低いのが、日系企業の海外支社に勤務することです。
日系企業の海外支社には日本人が駐在しているケースがほとんどで、海外駐在員は現地で極力日本語を話せる人と仕事をしたいと考えます。
そのため、日本語・英語が話せる日本人が採用されやすいため、3つの中では最も難易度が低いくなっています。
ただポストは限られるため、決して簡単ではありません!
海外の外資企業や現地企業は難易度がグッと上がります。
例えば、日本で外国人が日系企業に内定を得ることを考えると分かりやすいですね。
外国人を採用している日系企業はかなり限られていますし、あったとしても狭き門で、よほど優秀な人材でないと入れませんよね。
海外の現地企業に入社するという事は、日本で外国人が日系企業に雇用されることとほぼ同義なのです。
海外現地採用のメリット8つ
メリット①:働く国を選べる
働く国を選べることが、海外の現地採用の最も大きいメリットです。
海外駐在員だと、基本的には所属企業の支社がある国のみです。
更に、希望は出せても通る保証はどこにもありません。
一方で海外現地採用では、行きたい国を自分で選び応募できるため、内定をもらえれば、好きな国に住む事ができます。
国によって給与の水準が決まっているため、給与の高い国を選んで出稼ぎに行くことも可能です。
メリット②:職種を選べる
新卒一括採用が主流の日本と違って、海外の会社では、空いている職種・ポジションに応募します。
そのため、自分が就きたい職種に就くことができ、配属先ガチャというものが存在しません。
海外求人の具体例をいくつかお見せしますね。
先ずはLinkedinです。
例えば、Samsungのシドニー勤務”Head of Marketing”のように、ポジションとタイトルが決められています。(海外の外資企業の現地採用)
そして、海外現地採用の取り扱いが非常に多いリクルートエージェントさんも、このように職種で選ぶことができます。(日系企業の海外支社への現地採用)
メリット③:裁量の大きな仕事ができる
海外現地採用では、ポジション・職種が決まっており、その人に任せたい仕事がJD(Job Description)という書面にまとめられています。
JDに記載されている職務に関しては、そのポジションの人が責任を持ってやり遂げることが求められる一方、自ら意思決定をして進められることが基本となります。
そのため、「これをやりたい!」という想いが強い人は、海外現地採用が向いていますね。
メリット④:語学を修得できる
海外現地採用では、英語、又は現地の言語で業務を遂行する必要があります。
そのため、英語や現地を実践して身に付けたいという方には、海外現地採用で早いうちから海外に赴き、働くことをおススメします。
なお英語は、TOEICなどのテストの点数だけでなく、業務で使用経験があると転職の際にも有利に働きます。
転職だけでなく、海外MBAの入学の際も、海外での勤務経験を評価され、英語の試験を免除になりました!
メリット⑤:キャリアをデザインしやすい
キャリアをデザインしやすい、言い換えると転職がしやすいという事です。
いまの仕事に慣れ、職種・ポジションを変えたいという時には、現職で難しいと感じた場合は早々に転職活動して、新たな経験をさせてくれる会社に移ることが比較的容易です。
日系企業に勤めていると、多かれ少なかれ、数年単位で働くことが暗黙のうちに求められます。
メリット⑥:ワークライフバランスが充実していることが多い
日本の労働時間は、年間1,600時間で世界28位となっていますが、実態は世界トップクラスと言われています。
この中にはサービス残業が含まれておらず、非正規雇用の労働者の方も多く含まれていることから、1人あたりの労働時間はもっと長いと考えられます。
OECD所属国の年間業務時間
出典:OECD Data
一方で海外に行くと、定時になると基本的に仕事を切り上げ、帰宅する人がほとんどです。
海外現地採用だと、長く働く・帰宅するを自ら選ぶことができ、ワークライフバランスを取ることが容易となります。
メリット⑦:異文化理解力が身に付く
忘れがちですが、異文化理解力は極めて大切な能力です。
海外に住むと、日本とは全く異なった生活環境、習慣、宗教、文化の中で過ごすことになります。
同質的な考え方をする日本人でなく、全く異なる生き方、考え方、働く動機を持った外国人と一緒に働き成果を出すには、相手のことを理解し、自分の期待通りに動いてもらう必要があります。
異文化理解をするには、本を読むのも大切ですが、何より現場で実践して試行錯誤を繰り返すことが肝要です。
海外現地採用だと、嫌でも異文化理解力が身に付くことになります。
この能力は、日系企業の駐在員が欠落していることが多いため、極めて貴重な能力です。
メリット⑧:視野が拡がる
最後に、視野が拡がるというメリットです。
日本でも多様な人がいますが、やはり同質的な人が多いです。
大企業に勤めている人は、会社内の部署異動や出世、どこの部署を経験したかなどが、主な関心事となります。
一方、海外に住んでいると、良い待遇を受けてサラッと転職する人、起業する人、急に辞めて海外を放浪する人など、非常に多様な人に会う可能性に恵まれます。
人間、不思議なもので、多様な意見に触れると、とても身近で自分にもできると考え始めます。
例えば僕も、海外に渡航する前まではサラリーマンとしてキャリアを構築することしか考えていませんでしたが、今はパラレルキャリアや海外放浪、異文化理解の修士号を取りたいなど、やりたいことが非常に多くでてきました。
海外現地採用のデメリット3つ
デメリット①:ビザの取得が大変
海外で働くためには、現地の就労ビザが必要です。
就労ビザをサポートしてくれる企業とそうでない企業があり、ビザ取得は海外現地採用の1つの大きなハードルとして君臨しています。
デメリット②:福利厚生が薄いことが多い
基本的に海外現地採用では、多めの給与が支給され、そこから生活関連の費用を賄うというケースが非常に多いです。
ドバイで現地採用として働いていた方は、30代前半の営業職で年収は約1,000万円強、ただし家賃や物価がとても高いため、生活をかなり切り詰めて生活していました。
1つ情報ですが、日系企業の海外支社の場合、比較的福利厚生が充実している会社が多いですよ。
デメリット③:海外の日系・外資企業はキャリアアップが難しい
企業に寄りますが、キャリアアップが難しいケースが非常に多いです。
特に、海外の日系・外資の支社の場合、本社から駐在員が派遣されており、その駐在員が部長・ダイレクター・社長などの要職を占めてしまっているケースが極めて多くなっているのが原因です。
そのため海外現地採用の従業員が昇格する機会が失われ、キャリアアップが出来ず、定着せず転職してしまう光景がよく見られます。
海外現地採用の注意点4つ
・ビザ取得サポートの有無
・福利厚生の確認
・その国、職種の給与水準を調べる
・物価や家賃を調べる
注意点①:ビザ取得サポートの有無
ビザの申請・取得には、相当な労力がかかります。
特に、ビザ申請に必要な書類は相当な数があり、その中には役所や弁護士の追認などが必要だったり、とてつもなく面倒で費用もかなり掛かります。
そのため、企業がビザの申請サポートをしてくれるかどうかは必ず確認しましょう。
注意点②:福利厚生の確認
福利厚生は必ず確認しましょう。
福利厚生は、生活の質に直結しますので、給与と同じくらい大切です。
注意点③:その国、職種の給与水準を調べる
その国、職種の給与水準を調べましょう。
日系企業の海外支社の場合は、のちほど紹介する転職エージェントで給与水準をエージェントから確認するか、海外の会社の場合は直接サイトからOpen Positionを見てみましょう。
例:セールスフォースのSmall Business Account Executive(ニューヨーク勤務)
注意点④:物価や家賃を調べる
物価や家賃もキチンと調べましょう。
給与が高くても、生活費が高すぎるのであれば、何の意味もありません。
一番良いのは実際に行ってみて人に話を聞くことですが、インターネットで「xx(国名) 物価」や「xx(国名) 家賃」と調べれば、多くの国では情報が出てきます。
海外現地採用では必ず転職エージェントを利用すべし!
転職エージェントは、挙げた注意点4つ(ビザ、福利厚生、給与水準と物価)の情報を全て持っており、提供してくれます。
そのため、海外現地採用を目指している方は、必ず転職エージェントを利用しましょう。
常に人材を募集している会社は存在しないため、転職活動をする際は、機会を逃さないように求人情報を常に得られる体制を築くのが鉄板です。
希望してた会社が、つい先日募集を終了して「早く申し込んでおけばよかった・・」という人を何人見てきたか・・・。
海外就職 現地採用に強い転職エージェント12選のまとめを置いておくので、先ずは登録して(無料)、希望国の転職市場の動向や募集している会社の情報を常に得て機会を逃さないようしましょう。
参考:海外駐在員について知りたい!
海外駐在員に興味がある方は、以下の記事を読めば一通りのメリット・デメリットを理解することができますので、ぜひご覧ください。
\海外駐在員に関する記事はこちら/
【まとめ】海外現地採用に向いている人は目的が明確な人!(学生もできます)
まとめます。
海外現地採用では、裁量権が多い仕事ができ、語学・異文化理解力が修得できるため、やりたいことが明確で強い意志を持っている人にはおススメです。
ちなみに、大学生でも海外の大使館・領事館で~2年間働くことができる「在外公館派遣制度」があります。
条件は高卒・日本国籍・普通免許を有する者の3つです。
南アフリカにも、この制度を利用して働いている大学生の方が多くいらっしゃいました。
記事は以上です。