こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x 海外MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。
そんな疑問にお答えします。
そんな筆者は、2022年7月時点で5か国に合計で7年ほど駐在しています。(現在は南アフリカに駐在中)
・2011~2012:エジプト(カイロ)
・2012~2013:サウジアラビア(ジェッダ)
・2013~2015:UAE(ドバイ)
・2017~2018:北米(テネシー)
・2021~現在:南アフリカ(プレトリア)
初めての駐在は25歳の時に語学研修生として派遣されたのを皮切りに、中近東・アフリカのハードな国々で仕事をしてきました。
過去転職は29歳の時に1回のみですが、36歳の現在も海外駐在の経験者には根強い需要をひしひしと感じます。
・海外駐在するためのはどうしたら良いか
・駐在前にすべき準備
それでは見ていきましょう。
【結論】海外駐在は転職に絶対有利な理由5つを徹底解説(なり方やデメリットも)
海外駐在が転職に有利な理由5つ
大事な点ですが、海外駐在しただけでは転職に有利になることはありません。
海外駐在では実績作りや新しい能力を身に付けるための機会が数多く用意されており、転職では、海外駐在中に作った「実績」や「身に付けた能力」が評価され有利になります。
具体的にどんな能力が転職に有利か見ていきましょう。
・マネジメント能力の向上
・リーダーシップ力
・会社運営の知識・実務=経営能力
・語学力
・地域専門性
・【番外編】海外駐在はMBAの選考でも有利
これら1つずつ、どんなスキルか、どのように身に付けるかを解説していきます。
理由1:マネジメント能力の向上
まず大前提として、日系企業に勤めながら海外赴任を命じられた場合は、赴任国で役職が上がるケースがほとんどです。
特に、新興国やまだ現地の会社を設立して間もない場合はより高い役職(例:30歳でマーケティングダイレクター)にアサインされる傾向が強く、部下を持ち、レポートする相手の役職も上がるため、求められる仕事の量、質がガラッと変わります。
・日本の役職:課長代理で部下は1人、課長へレポート
・海外の役職:シニアマネージャーで部下は4人、ダイレクターへレポート(社長レポートも多々)
加え、部下も上司も外国人であるケースが大半です。
僕は、ありがたいことに27歳で中近東・アフリカの液晶テレビ事業の事業統括責任者(課長職)を担っていました。
なので、海外駐在中に求められる仕事に対する考え方も姿勢も、あなたが日本で経験したものとは全く異なります。
彼らのやる気を引き出しながら結果を出していく必要があるため、もし結果を出すことが出来たなら、あなたのマネジメント能力は転職市場で高く評価されます。
注意点ですが、裏を返せば既にビジネスが成熟している先進国などでは日本と役職が同じというケースがあるので、赴任国やポジションは事前に確認しましょう。
・海外駐在では役職が上がり部下を持ち、レポート先の役職も上がり仕事の量、質が大きく変わる
・結果を出せば転職市場で評価される
・先進国では、マネジメント経験が限られる可能性がある
理由2:リーダーシップ力
リーダーシップとは、「目標を設定し、周りのモチベーションを上げ、統率・維持し達成していく能力」です。
“What (何を)”に焦点があります。
一方マネジメントは、“How(どうやって)・When (いつまでに)”がメインです。
海外駐在では、先述のリーダーシップも伸ばす機会があります。
先ほどの「マネジメント力」で説明したフレーズを引用します。
特に、新興国やまだ現地の会社を設立して間もない場合はより高い役職にアサインされる傾向が強く、部下を持ち、レポートする相手の役職も上がるため、求められる仕事の量、質がガラッと変わります。
誤解を恐れずに言うと、日本では課長に聞かれた事に答えていればよかったものが、海外に行くと、上司であるダイレクターから、あなたにレポートする部下から、会議の度に“あなたはどう思うか?”を毎日100回くらい聞かれます。
自分の意見を述べるためには、仕事に関連する情報を出来る限りインプットしたうえで、“会社にとって何がプラスの判断か”を自分の軸で考える必要があります。
これが習慣化すると、自然と自分の意見が言えるようになり、これが第一歩です。
最初は僕も苦労しました・・・意見聞かれて答えると、アホか!と怒られたこと数知れず。
そして部下にも自分の考えや方針(“What (何を)”)を共有し、もし共感してもらって彼らが自発的に仕事をするようになれば、リーダーシップ力がついているという証左です。
・役職が上がるため、あなたの意見を求められるようになる
・海外ではより高い役職の人に意思決定を委ねる傾向がある
・結果、自分の意見や判断軸を持つことができ、それがリーダーシップ発揮の素地となる
ちなみにこれ、身に付けるのが物凄――――く大変です。
身に付けるまでに最低1~2年はかかると思ってください。
理由3:会社運営の知識・実務=経営能力
しつこいようですが、引用します。
特に、新興国やまだ現地の会社を設立して間もない場合はより高い役職にアサインされる傾向が強く、部下を持ち、レポートする相手の役職も上がるため、求められる仕事の量、質がガラッと変わります。
つまり役職が上がるため、入ってくる情報の量、質が圧倒的に増えます。
会社でもありますよね、「閲覧は課長以上」などと書かれている資料。
例えば、会社のキャッシュフロー状況、立ち上がり前のプロジェクトの話、駐在地で導入する商品ラインアップの決定、などなど。
・担当製品の工場への発注、売上、在庫管理→社長決裁のための提案含
・担当製品のラインアップ及び販売価格の決定
・担当製品の予算策定と本社への月次報告
・担当製品のP/L管理(財務部と)
・お客さんとの商談、供給台数や価格の交渉と意思決定
など
もちろん営業さんや商品企画さんがいるので協力しながら進めますが、このような意思決定を日々行う必要があり、経営=会社を運営していくための知識を体得する事ができます。
中小企業診断士の一次試験を突破し、海外MBA取得しましたが、この業務経験に勝る経営の知識習得の方法を僕は知りません。
成長は、仕事での経験(特に修羅場経験)が70%と言われていますからね。(残り30%は教育やOJTなど)
・入ってくる情報の量、質が変わる
・経営に関わる意思決定に参加できる
理由4:語学力の向上
ここでいう語学は、英語です。
特別な国や相当地方に赴任にならない限り、日常生活や業務で使用する言語は英語でしょう。
使用頻度は日本と比較にならないくらい多く、確実に向上します。
例え英語が大きく向上しなくても、心配しないでください。英語で業務が出来る、生活が出来るという自信がつき、英語を使用する仕事でも物怖じしなくなるだけでも、周りがあなたを見る目は良い方向に変わります。
TOEIC 900点持っていても会話やメールが出来ない人もいるので、海外駐在経験は資格以上の語学力証明になりますね!
なお駐在に行くにあたり、語学力を身に付ける必要のある方は以下の記事を参考にどうぞ。
・業務で使える英語が身に付く
理由5:地域専門性の獲得
特殊地域に多いのですが、地域毎に独特の商習慣があります。
転職活動や、企業の地域別組織の編成方法から考察するに、地域特有の専門性に価値が認められています。
市場規模や特殊性から、中国とインドは地域ではなく国の専門家が数多くいます。
・東南アジア
・インド
・中国
・ロシア・中東欧
・中近東
・アフリカ
・欧州
・北米
・中南米
私の場合は、アラビア語の知見、イスラム文化への深い造詣、そして中近東で働くインド・アラブ人との交渉への免疫がある事から、「中近東の専門性」が転職市場で認められています。
日本と異なる文化、商習慣であればあるほど、その地域の専門知識や経験は貴重ということですね!
・地域特有の商習慣に精通していることも価値がある
・積極的に現地人と関わろう
【番外編】海外駐在はMBAの選考でも有利
ieビジネススクールの海外EMBAを取得しましたが、受験の際、駐在中に培ったマネジメント能力やリーダーシップ能力は、合格をつかみ取るための大きな要因の1つでした。
もう1つ、海外の業務経験が4年以上ある人は、英語の試験(IELTS 7.0以上)が免除になるとのことで、私は受験する必要がありませんでした。
特に、ダイバーシティを重んじるスクールは、海外経験豊富な人を好む傾向があります。
海外駐在のデメリット
メリットは以上ですが、「海外駐在員の給与はどれくらい上がるの?」、「いい事ばかりだけどデメリットは?」という質問に対しては、以下の記事を参考にしてください。
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海外駐在員におススメの厳選転職エージェント13選
常に人材を募集している会社は存在しないため、転職活動をする際は、機会を逃さないように求人情報を常に得られる体制を築くのが鉄板です。
希望してた会社が、つい先日募集を終了して「早く申し込んでおけばよかった・・」という人を何人見てきたか・・・。
海外に強い転職エージェントのリンクを置いておくので、先ずは登録して(無料です)、海外駐在員経験者を募集しているハイクラス企業の情報を常に得て機会を逃さないようしましょう。
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2 | パソナキャリア | 〇 | |||
3 | リクルートエージェント | 〇 | |||
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8 | エンワールド・ジャパン | ○ | かなり厳選された求人の案内 | ||
9 | ロバートウォルターズ | ◎ | 厳選された外資系企業、日系の海外案件も多い。 | ||
10 | 20代特化型 ハイキャリア |
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11 | 海外・留学経験者 | The Beyond Border | 20代・30代 | ◎ | 海外や留学経験のある方向けに特化したエージェント |
12 | MBA取得者 | Axiom | 30代~ | ◎ | MBA修得者に強いエージェント。MBA壮行会も主催。 |
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記事も置いておきますね。
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海外駐在前の準備はなにをすればよい?
駐在前に準備をしたいという方もいらっしゃると思います。
いくつかありますが、個人的には「海外駐在をしたときに必要な最低限の知識とマインドセットを身に付ける」ことだと考えています。
説明した通り、日本人が海外駐在をする場合は役職が上がるケースが多いため、より幅広い知識の習得が必要です。
そして日本とは全く違うマネジメント手法が求められるため、国際的なマインドセットが必要となるケースが多いでしょう。
以下、記事をまとめているので興味があればどうぞ。
【まとめ】そもそも海外駐在員になるには?方法5つ
海外駐在員になる方法は5つあります。
・海外駐在前提の案件に応募する
・駐在がほぼ約束されている企業で働く
・海外に進出しているベンチャーで働く
・外国企業のグローバル本社で働く
誤解が多いところですが、日本に支社を構える外資系の企業でも海外駐在の可能性はあります。
ととえばネスレやP&Gなどは、日本に長く根付いている企業であるため、日本から優秀な人材を本社や別地域に派遣したり、教育目的で海外に送ったりします。
以下の記事に、海外駐在員のなり方、派遣されやすい企業、転職エージェントを全てまとめておりますので、興味があればどうぞ。
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【参考】海外転職 現地採用が気になる方は
海外転職 現地採用は、例えば日系企業の海外法人や海外の企業に直接雇用される形態です。
海外転職 現地採用に強い転職エージェントや使用すべきツールについて、以下の記事で詳しく解説しているので、興味があればご覧ください。
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さいごに
海外駐在は、本記事で紹介したスキルを身に付ける機会を得る事は出来ますが、スキルを実際に身に付けられるかどうかは本人の努力次第です。
大きな仕事を与えられて、自ら考えて行動し、失敗を数多く経験したゆまぬ改善の努力を重ねる事によって体得する事ができます。
なお参考までに、同じく海外駐在経験のあるブロガーの e-Mediaさんも海外駐在のメリットなどについて紹介しており参考になるので、是非見てみてください。
以上です。