【徹底解説】海外赴任のメリット6つとデメリット3つ(現役駐在員の実体験より)

海外駐在

こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。

海外赴任と聞くとどんなことを想像するでしょうか?

「給与が高くリッチな生活が出来そう」
「異文化に慣れるのに苦労しそう」
「聞いたことない国に行かされる」

今回はよく聞かれるこのような疑問にお答えします。

この記事を5分読むと、海外赴任で得られるメリットを知ることができ、チャレンジングなあなたは海外に飛びだしたくなるでしょう。
それに海外赴任前後の給与も公開しているので、「実際いくらもらえるの?」という疑問にも答えています。

この記事は、新興国(中近東・アフリカ)及びアメリカでの3回5か国の海外赴任の経験から、現場のリアルを綺麗ごと抜きに具体的に解説していきます。

【徹底解説】海外赴任のメリット6つとデメリット3つ(現役駐在員の実体験より)

【まとめ】海外赴任のメリット6つ

先ずは一覧のまとめからです。

後の章で1つずつ解説していきますね。

海外赴任のメリット6つ

・給与の大幅アップ
・マネジメント能力向上の機会
・転職に有利
・語学力の向上
・異文化理解
・会社のキーパーソンとネットワークが築ける

メリット1:海外赴任中の給与が大幅アップ

海外赴任するとどれくらい給与が上がるの?という所が一番気になるところかと思います。

赴任中の給与額は、派遣国・所属企業による、というのが回答ですが、共通しているのが、額面よりも可処分所得が大きく増えます

理由は、日本で生活しているときと比較して種々税金の支払いが不要なためです。

ざっくり、額面で1.2~1.5倍、手取りで1.5倍~2.0倍程度が相場ですが、具体的な給与額の例は以下の記事に掲載しているので、ご覧ください。

\参考記事はこちら

【徹底解説】 海外駐在員の給与・年収・手当事情は?(5カ国で勤務した経験から)
【徹底解説】 海外駐在員の給与・年収・手当事情を解説しています。額面給与よりも「手取り」が日本の1.5倍~2.0倍程度と増加します。手厚い福利厚生により、家賃などの日本での大型出費が抑えられるためです。何より、海外駐在では日本で得難い経験ができるためビジネスパーソンとしても成長できることが一番のメリットです。

それでは、なんでこんなに給与が増えるのでしょうか?

額面給与の増加要因


– 移動プレミアム
– ハードシップ手当
– 単身赴任手当 or 家族手当
– (増減)物価・為替調整

✓移動プレミアム(海外勤務手当):

定額、又は定率で支給されます。
注意したい点は、残業代がこの手当の中に入っていることです。
後ほど、デメリットの”日本人の負担過多”の所で説明します。

✓ハードシップ手当:
新興国赴任者に設定されている事が多いです。
日本と比較して生活水準が著しく劣る場合、心身にかかる負担が大きいため、給与を多く払います、という事ですね。
例えば、現在赴任中の南アフリカでは、2021年7月に略奪を含む大暴動が起こったり、犯罪が日常的に発生しており、そういった国にはハードシップが設定されていることが多いです。

加え、単身の場合は単身赴任手当、家族帯同の場合は家族手当等も支給されます。

増減どちら共の要因となるのが物価調整

こちらは赴任国によりますが、コンサルタント会社が実施している生活水準調査と為替レートを考慮し調整されていることが多いです。

なお、2013年当時UAEは増加要因(プラス40%!)、エジプト・サウジは減少要因(マイナス20~30%)となっていました。

 

可処分所得増加要因


– 税金
– 住居・車(ドライバー)
– その他(子女の教育等)

✓税金:
日本に在住していないので、住民税の支払いが不要です。そして所得税も会社が負担してくれる事が多いので、こちらも可処分所得増加要因となります。

✓手厚い福利厚生:
住居・車(又はドライバー)は会社が用意してくれるため、家賃や交通費は基本的に発生しないため、こちらも増加要因になります。

その他、私には経験ありませんが、子女の教育等もカバーされます。

メリット2:マネジメント能力向上の機会


日系企業に勤めている場合は、赴任国で役職が上がるケースがほとんどです。

例えば、課長代理職であれば、現地でシニアマネージャーになり、部下を4~5人持つことも珍しくありません。
私自身、日本では直接レポートではない部下が一人だけでしたが、南アフリカに赴任してからは南アフリカ人(黒人とアフリカーンス)3~4人を部下に持ちマネジメントしています。

なので海外では、部下を持つことでマネジメント力=つまり人の力を用いて結果を出す能力を身に付けることが出来る機会を得ることが出来るチャンスが高いです。

メリット3:海外赴任は転職に有利

転職に有利な理由は以下の通りです。

海外赴任が転職に有利な理由4つ

・ マネジメント能力が身に付くため
・ リーダーシップが身に付くため
・ 会社運営の知識・実務=経営を知れるため
・(番外)地域専門性が獲得可能なため

前述のマネジメント能力の向上はもちろんのこと、日本とは全く異なる環境で成果を出したことも高く評価をしてくれます。
なぜなら、考え方も全く違った人達をまとめ上げ結果を出した人材は、強いリーダーシップも備えていると考えられるためです。

そして日系企業の場合、日本人は要職任せられる可能性が高く、会社経営の基礎力が備わっていると考えられます

例えばUAE赴任の際は、担当商品関連の仕事はすべて任されていました。具体的には、工場への発注から在庫管理、予算策定や本社への報告、更にはラインアップの確保やP/Lの管理、時にはお客様との商談等多岐に亘り、経営の根幹を担っていました。

日本では、なかなか得難い経験でしょう。

番外編ですが、地域専門性も買われるケースもあります。例えば、アラビア語を操りイスラム圏への見識が深いアラビストなどは、一つの例でしょう。

メリット4:語学力の向上


ここでいう語学は、英語です。

特別な国や相当地方に赴任にならない限り、日常生活や業務で使用する言語は英語でしょう。

使用頻度は日本と比較にならないくらい多く、確実に向上します。

一方、例え英語が大きく向上しなくても、心配しないでください。

英語で業務が出来る、生活が出来るという自信がつき、英語を使用する仕事でも物怖じしなくなるだけでも、周りがあなたを見る目は良い方向に変わります。

メリット5:異文化理解力が身に付く


異文化理解の経験を積むことが出来ます。

異文化理解とは、自分とは違った文化を見聞き理解し、自身の文化的価値観と折り合いをつける能力です。

例えば、イスラム文化。彼らは、1日5回メッカに向かいお祈りをします(しない人もいます)。

そのため、業務中に20~30分、それも2~3回抜けることもあります。日本人にとっては驚きですが、彼らにとってはとても大切な日常生活の一部で、業務時間中であろうと認める必要があります。

「イスラム教信者は怠惰だ」と決めつけず、自分がよそ者という事を認識し、彼らの生活習慣の理解に努め自身を適用する。意識すればこのような能力が身に付くようになります。

この能力は、実は日本でも使えます。日本人の中にも生活習慣が異なり理解し難い人は確実に存在します。解決方法は、前述の異文化理解と一緒です。

メリット6:社内のキーパーソンとネットワークが築ける

海外駐在員というのは、駐在員の待遇が上がる反面、会社から見たら費用がアップすることを意味します。

つまり、費用をアップさせてでも、海外駐在員を派遣したいということは、その人はその会社にとって「即戦力」であることが多いです。

即戦力人材は、将来的に重要なポジションに就く可能性も高いです。

なので海外駐在では、他の海外駐在員と一緒に仕事をして、ネットワークを築くチャンスなのです。

成果や仕事ぶりでアピールを出来たら、日本に帰国した後も、昇格や昇進の機会、または再度海外に駐在する機会が得やすくなります。

ご興味があれば、詳細は以下の記事をご覧ください。

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デメリット3つ

先ずはデメリットのまとめからです。

海外赴任のデメリット3つ

・海外赴任中の異文化ストレス
・日本人の業務過多(日系の場合)
・生活の不安定

デメリット1:海外赴任中の異文化ストレス

前述の異文化理解ですが、最初はとてもストレスがかかります。上の例の通り、理由も言わず20~30分も席を外し、業務が滞るとつい怒りたくなります。忙しいときは尚更です。

日常生活でも、日本と違ってレストランの店員さんの愛想が悪かったり、住んでいる住居の不具合が多くかつ対応が遅かったりとストレスが溜まる機会は、日本より圧倒的に多い事は覚悟しましょう。

デメリット2:海外駐在者の業務過多(日系の場合)


こちらは日系企業に多い話です。

日系企業では日本人が要職に就くケースが多いため、赴任地での影響力が強いです。

加え当然日本語も話すので、日本の海外部門で働く人からすると、とても便利な相手です。

そのため、現地での業務に加え、日本の海外部門からの依頼が赴任している日本人に集中するケースがとても多いです。

よくある例が、日本の海外担当者から「現地のxxxさん(現地のスタッフ)に昨日出した依頼、返信がありません。フォローアップしておいてください」、これですね。

フォローアップとは、単に依頼を受けた本人にリマインドで済む事もあれば、案件の内容に入ってサポートするケースもあり様々です。

デメリット3:不安定な海外生活

代表的な生活の不便は以下の通りです。

海外赴任中の不便4つ

・日本食・レストランが少ない
・食材が調達できない
・医者・歯医者等の医療機関の信頼性
・政治・経済的な不安定

ただ新興国赴任の場合、年に1~2回の日本食送付制度が整っていることがあります。

海外赴任中に結果を出すには?

海外駐在で結果を出せる人には明確な特徴があります。

海外駐在で結果を出せる人の特徴5つ

・専門性がある
・説明が論理的
・自分の軸を持ち、議論が出来る
・多様性を楽しむ姿勢
・結果にコミットする

日本では「周りと協調しつつ、主張しすぎず争いを避け、うまく仕事を勧められる人」が優秀とされていますが、多くの海外では意見を言わないと信用してもらえないケースがあります。

我慢強く、違いを楽しみ、かつ自分の主張もできる人材を目指しましょう!

詳しくは、以下の記事で解説しているので、興味があればどうぞ。

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そして、インプットの関しては以下の記事を良ければどうぞ。

僕が5か国に6年以上駐在し日本でも6年以上海外関連の仕事をしてきて、最も役立った英語の教材と外国人との働き方についての実践本です。

今まで数多くの本を読んできた中での厳選本なので(=読まなければよかった本も沢山・・・)、皆様の代わりに先に失敗しておきました!笑

【保存版】外国人と働く人が読んでおきたい本9冊を紹介(現役海外駐在員が推薦)
外国人と働く人が読んでおきたい本9冊を紹介します。日本人が外国人と仕事する際に守るべきこと、つまりグローバルスタンダートというマナーが存在します。今回紹介する本では、それらの指針を説明するとともに、日本人がどうやったら結果を出せるかアドバイスがあります。僕も参考に、5か国で6年も海外勤務してきました。
【必読】異文化理解に宗教の教養は必要!仕事に役立つ意外な理由4つ(現役駐在員が解説)
日本人は宗教の教養を身に付ける必要があります。世界の70%以上は「キリスト教」「イスラム教」「仏教」「ヒンドゥー教」の4宗教のいずれかを信仰しています。つまり宗教の教養なしで外国人と関係を築く事は困難です。イスラム圏3か国で4年強アラビア語・イスラム教を学習、働いた経験から解説します。一冊で概論が分かる必読書も紹介。

海外駐在の可能性がある会社に転職するには?

常に人材を募集している会社は存在しないため、転職活動をする際は、機会を逃さないように求人情報を常に得られる体制を築くのが鉄板です。

希望してた会社が、つい先日募集を終了して「早く申し込んでおけばよかった・・」という人を何人見てきたか・・・。

海外に強い転職エージェントのリンクを置いておくので、先ずは登録して(無料です)、海外駐在の可能性がある会社の情報を常に得て機会を逃さないようしましょう。

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記事も置いておきますね。

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【まとめ】海外赴任の6つのメリットと3つのデメリット

1つお伝えしたいのが、海外赴任中のメリットのほとんどは本人の努力次第です。

日本と同じ働き方やものの考え方に固執していては、せっかく海外赴任中に得られる成長の機会を最大限利用する事が出来ません。

最も大事なことは「相手に好奇心を持つこと」で、部下や周りに方々の行動で自分が理解できないものに関しては、積極的に質問していくと状況が好転することがあります。

思考停止に陥って、外国人に対しては「日本では・・・」や日本人に対して「海外では・・・」と思考停止して物事を決めつける「出羽守(でわのかみ)」にならないように是非気を付けて、素晴らしい海外赴任ライフを!

【参考】海外転職 現地採用が気になる方は

海外転職 現地採用は、例えば日系企業の海外法人や海外の企業に直接雇用される形態です。

海外転職 現地採用に強い転職エージェントや使用すべきツールについて、以下の記事で詳しく解説しているので、興味があればご覧ください。

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【2024年版】海外転職 現地採用に強いおススメの厳選転職エージェント14選(地域別に紹介)
【2024年版】海外転職 現地採用に強いおススメの厳選転職エージェント14選を地域別に紹介します。海外就職や現地採用では、現地の転職動向や国の情報、例えば給与水準や労働環境、治安や政治の安定度合いなどがが、就職する国を決める大きな要素となります。転職エージェントに登録し、最新情報を常に得られる体制を築いておきましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

海外赴任は、給与の増加だけでなく、デメリットを補って余りある程のメリットがあります。

そして何より、「世界を股にかけるビジネスパーソン」という自己満足は心地よいものがあります。

なので海外赴任のチャンスがあるならば、ぜひ積極的に希望していきましょう!

この記事を書いた人

▶大手グローバル企業で入社3年目に海外駐在に選抜され5カ国7年超駐在し、新興国で挑戦し続ける▶一刻も早く海外に出るため、英検1級/TOIEC 925を含む資格を11個取得。世界トップランカーのieビジネススクールでEMBA取得▶6年で3回昇格しマネジメントへ。マーケティング部長として多国籍チームを率いる▶グローバルで活躍する日本人を増やすため、グローバル人材育成プログラムGlobal BootCampを開発・主催。

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