こんにちは!南アフリカの自動車マーケッター x MBAホルダーのマサ (@mappyinME) です。
電機・事務機器メーカーで、なるべく早く海外で働きたいと思っていますが、おススメの会社はありますか?
あります。
この記事では、電機・精密機器メーカーの海外研修制度(業務・語学・大学院派遣)22社を独自調査の結果をまとめています。
僕は、本記事で紹介しているある電機メーカー海外研修制度を利用して入社3年目から海外へ派遣されています。2年の研修を経て駐在員となり、合計4年半ほど勤務しました。
【まとめ】電機・精密機器メーカー23社|海外研修や大学院派遣制度を徹底調査
電機メーカーの海外研修制度の先駆けは韓国サムスン電子
韓国の最大手サムスン電子では、1990年より「地域専門家制度」という制度を発足し、希望する国や地域で1年間、業務から完全に離れて生活します。
自分で1年間の計画を立て、生活も、誰かがサポートするわけではなく、自分で生活基盤を構築する経験を通じて、その国の文化や習慣を学び、地域専門家としての一歩を踏み出します。
今まで5,000人以上を派遣し、毎年数百人単位で派遣しているというから驚きですね。
この制度を、日系の電機メーカーが海外研修制度を設計する際の参考にしているといわれています。
少なくとも、僕の古巣の電機メーカーでは、サムスンの地域専門家制度から着想を得ている旨を明言していました。
【電機・事務機器メーカー12社】海外研修制度がとても充実
電機・事務機器メーカーは、他の業界と比較しても、海外研修プログラムがかなり充実しています。
特に、日立製作所・東芝・富士フィルムの3社は、海外業務研修・語学留学・大学院派遣制度の全てを網羅しており、大変おススメです。
3社とも、どこの国へ行っても海外駐在員・業務研修生を多く見かけます!
他にも、海外研修プログラムは少ないものの、海外駐在員を多く派遣しているソニー・パナソニック・パイオニア・TDKも大変おススメです。
それでは見ていきましょう!
①ソニー
ソニーには年に一度の公募留学制度があり、派遣期間は1年間となります。
希望者は、留学先・研究テーマ・留学後のプランを考え、上司の推薦を得て応募することになっています。
残念ながら、業務研修は現在募集しておらず、海外で働くには海外駐在員に選ばれる必要があります。
ただ、ソニーは多くの海外駐在員を派遣しているため、社内でアピールを続けていれば、チャンスを掴める可能性は高いといえるでしょう。
②パナソニック
パナソニックでは、毎年100名の20代を海外に派遣する「海外トレーニー制度」という、とても素晴らしい制度があります。
期間も平均約2年ととても長く、派遣人数も多いため、パナソニックに入社したら必ず申し込みたいプログラムとなっています。
以下の参考記事に、実際に行かれた3人のインタビュー記事があるので、興味があればぜひご覧ください。
③日立製作所
日立製作所には、若手海外派遣・海外業務研修・MBA派遣制度の3つが存在します。
ホームページ紹介の体験談によると、入社8年目の従業員が英国に「海外業務研修」にて1年間派遣されています。
更に、2011年~2013年には3年間で毎年1,000人もの20~30代前半の若手を海外に派遣しています。
語学留学や日立グループで仕事をしたり、現地NGOでインターンなど80コースを用意しているそう。(東洋経済 2015/01 「海外留学は英語力向上にどこまで有効なのか」)
電機・事務機器メーカーの中で、最もグローバル人材の育成に注力している企業と言えます。
日立製作所の教育制度
④東芝
東芝も、電機・事務機器メーカーの中ではトップクラスに海外研修制度が充実しています。
・海外実務研修
・グローバルプロジェクトマネジメント研修(短期:カリフォルニア工科大学)
・海外留学研修(MBA取得など)
期間などの情報はありませんでしたが、グループ会社で1年間の海外派遣研修があるので、恐らく東芝本体も1年は行けるのではないかと推測します。
積極的に狙いたい企業ですね。
東芝出身者によると、結構な体育会系の会社らしいので考慮に入れましょう!
⑤富士通
富士通のホームページには記載がありませんが、体験談があるので、数は多くないものの海外研修制度は存在すると思われます。
富士通では、従業員自らがキャリアのオーナーシップを持ちそのサポートに力を入れているため、海外研修というよりは、希望者を現地に駐在員として派遣する意識の方が強いのかもしれません。
⑥NEC
現在、NECの公式ホームページでは海外業務研修生の案内はありませんが、2017年のCSRレポートを参照すると、海外業務研修派遣や語学留学なども実施していることが伺えます。
グローバル要員の育成
グローバル市場へのビジネス拡大に向けて、さまざまなグローバルスキル強化施策を行っています。特に海外の現地の市場を実際に体験し、ビジネスのアイデアやビジネスプランを検討する体験型の研修プログラムへの派遣を拡充しています。その他、各種ビジネススキル強化プログラムに加え、海外への業務研修派遣、海外留学なども積極的に実施しています。
引用:NEC CSRレポート 2017 “人材開発・育成”
更に、僕が現在赴任している場所でもNECの海外研修生がおり、2年間現地で勤務しています。
⑦三菱電機
三菱電機でも、海外での研修は充実しています。
先ず「海外OJT研修」では、海外拠点にて1年間、実務や語学の研修を行う制度で、事務系・技術系の両方が参加することが出来ます。
海外駐在・研修生を含めてですが、三菱電機の「From 五大陸」で現地の生活の様子が見れるので、興味ある方は覗いていってくださいね。
三菱電機の人材育成制度
⑧シャープ
残念ながら、シャープでは海外研修制度は存在しません。
想像の域を出ませんが、経営不振に2016年に鴻海に買収されて以来、なくなってしまったのではないかと考えます。
ただし、海外拠点は多数あり、各拠点の要職は日本人が占めているため、海外駐在に選ばれる可能性は高いといえます。
シャープは僕の古巣で、当時存在したGRIDというプログラムの1期生として、合計2年間(1年語学・1年業務)海外研修生として派遣されていました。
⑨リコー
残念ながら、リコーには海外業務研修は存在しません。
ホームページや体験談も存在しないため、海外駐在しか海外勤務する機会はないと推察されます。
⑩富士フィルムホールディングス
富士フィルムホールディングスでは海外研修制度がかなり充実しており、以下の5つの海外研修プログラムを用意しています。
・海外トレーニー制度(語学学校、専門教育機関への留学)
・海外留学制度(専門留学|一般留学)
・欧米ビジネススクール(短期MOT:技術経営)
・インドMOT研修(語学研修・MOT履修)
特にインドのMOT研修では、「インドの厳しい環境下での研修」と、当地での生活面が厳しい事を隠すことなく発信している所が好感持てますね。
実際に、入社4年目にトレーニー制度で中国に1年間語学留学されていた方の体験談があるので、良ければご覧ください。(Fastgrow 首藤亮太)
富士フィルムの従業員の方は、海外の多くでお見掛けするので、海外駐在員の派遣もかなり充実していると推察されます。
富士フィルムホールディングスのグローバル人材育成研修
⑪パイオニア
パイオニアでは、「海外トレーニー研修」が存在し、語学研修と業務研修のコンビネーションの素晴らしいプログラム内容となっています。
更に、2023年3月現在で約150名が海外に駐在しているため、研修制度だけではなく、駐在員としても海外に赴任できる可能性は高いと推察します。
⑫TDK
TDKでは海外トレーニー制度が設けられており、日本人を海外に派遣するだけでなく、現地拠点の従業員を日本に派遣する双方向の研修制度です。
期間は1年間で、ホームページに記載されているのはアメリカ、ドイツ、英国の3か国の体験談がフィーチャーされています。
1年間海外に行ける研修制度は貴重であるため、ぜひ考慮しましょう!
【精密機器メーカー11社】大学院派遣制度が充実
精密機器メーカー全体の印象として、業務研修はとても少ない一方で、技術者に国内外の大学・大学院で更なる専門知識やMOT(Management of Technology)を身に付けるための派遣が多い印象です。
その中でも特に研修制度が充実しているのがキヤノン・オプテックスの2社、充実度合いで言ったら電機・事務機器メーカーのトップクラスに引けを取りません。
それでは見ていきましょう!
①キヤノン
キヤノンのグローバル人材の育成は大変充実しています。
キヤノンでは、1995年に発足した地域別トレーニー制度があり、入社3年目~30歳以下の若手を中心に1年半ほど海外に派遣され、6カ月は現地の語学を修得、残り1年は任地で仕事することができます。
更に、技術者を海外の大学院へ派遣する制度もあり、35歳以下が2年間研究に勤しむことができます。
・欧米トレーニー制度(イギリス・アメリカ・ドイツ・ブラジル・ロシアなど)累計68人
・技術者海外留学制度(技術系のみ)
更にキヤノンは、海外に多数の拠点があり、その拠点間での異動を積極的に行う「Canon Global Assignment Policy (CGAP)」という制度を設けており、国際的な取り組みを多数実施しています。
②キーエンス
高年収で有名なキーエンスには、海外研修制度は存在しません。
一方、キーエンスの売り上げの約半分が海外拠点から計上されているため、海外の拠点に派遣される可能性も十分あり得ます。
③ダイキン工業
ダイキンは、日本人に向けて実践的な海外研修制度を用意しています。
・国内留学
海外拠点実践研修では、若手メンバーを海外に1~2年派遣します。
通常の出向ではなく、現地の販売代理店・取引先、事業提携先、大学などにおいて実践的なテーマを持ち、既成概念に捉われないチャレンジ精神と異文化のなかでのコミュニケーション能力を身に付けます。
海外研修の経験者の対談(選抜研修経験者と執行役員が語る、ダイキン流の人材育成)も興味があればご覧ください。
一方で、海外拠点の人材を日本に招き、1年間にわたり業務研修を行うプログラムも用意しています。
ダイキンは多くの海外駐在員を派遣しているので、駐在の可能性も高いでしょう。
④京セラ
京セラでは、海外業務研修はありませんが、米国・欧州・中国・東南アジア・インドなどに、語学留学や大学院への派遣する制度があります。
なお大学院派遣制度は、入社3年目以上の従業員が応募することができ、海外の大学院に最大2年間通うことができます。
⑤オリンパス
オリンパスには、残念ながら海外研修が存在しないと推察されます。
ホームページやCSRレポートに海外研修生を派遣した記事がなく、情報を公開していないだけの可能性もありますが、グローバル化を推進する企業が、研修生を派遣し人材育成のレポートに記載がないのは考えにくいですね。
実際、任地でオリンパスの海外研修生や駐在員はみたことがありません。
⑥コニカミノルタ
コニカミノルタでは、若手の従業員向けに「若手海外派遣プログラム」を用意しており、海外の販売会社やビジネススクールに派遣されます。
現在までに122名がこのプログラムに参加し、今後は、海外拠点から日本への派遣も進めていく予定です。(2020/2021年度はコロナのため保留)
若手海外派遣者の展示会参加の様子
早いうちから海外を希望している旨は、会社に伝えておきたい所ですね。
後輩が、コニカミノルタで南アフリカに海外駐在していましたね。
⑦オムロン
オムロンには、残念ながら海外研修が存在しないと推察されます。
ホームページやCSRレポートに海外研修生を派遣した記事がなく、情報を公開していないだけの可能性もありますが、グローバル化を推進する企業が、研修生を派遣し人材育成のレポートに記載がないのは考えにくいですね。
実際、任地でオムロンの海外研修生や駐在員はみたことがありません。
⑧カシオ計算機
残念ながら、CASIO計算機にも海外研修は存在しないと推察されます。
ただし、一時期CASIOは海外駐在員候補を転職エージェントで募集したり、海外事業の拡大には非常に注力しています。
海外駐在員専用の研修制度などを設けているため、駐在をするならCASIOはとても良い選択肢だと思います。
CASIOの海外赴任者向けの研修制度
⑨日本精工(NSK)
日本精工では、グローバルに活躍する人材や専門性の高い人材を育成するため、国内外の大学や大学院へ留学派遣を実施しています。
語学習得の支援など、頑張る個人を支援する制度も整っています。
⑩セイコーグループ
残念ながら、セイコーグループでは海外研修制度も海外赴任もないため、海外で働きたい方は、考慮に入れない方が無難かもしれません。
セイコーグループ Q&A
ただし、グループ会社のセイコーウォッチには、現在15名ほどの海外駐在員がおり、ある程度キャリアを積んだ人が派遣されているようですね。(セイコーウォッチ FAQ)
⑪オプテックス株式会社
出典:オプテックス株式会社ホームページ
オプテックス株式会社は、滋賀県大津市に本社を構えるセンサーの企画・開発や販売を手掛け、日本を含む世界各国のニッチ分野で高世界シェアをたたき出す超優良企業です。
売上は500億円超(2022年決算)・世界販売は70%程度で営業利益率は11%と高く、経営はとても安定しています。
さて、こんなオプテックス株式会社ですが、若手のトレーニー制度も充実しています。
出典:オプテックス株式会社 人材活用の取り組み
毎年20-40名の新入社員が入りますが、若手人材の中から選抜で、毎年数名ほど語学研修・海外派遣されています。
人数を考えると、仕事を一所懸命にこなし自己研鑽も惜しまなければ、かなり高確率で海外派遣されるのではと考えています。
実際に働かれている方のお話を伺っても、ライフワークバランスは充実、海外への機会も開かれていて素晴らしいとの声が出て来ます。
海外研修生・駐在員へ選ばれる方法6つ
僕は今まで、2社で5カ国に7年以上に派遣されており、海外業務研修・語学研修・駐在の3つ経験しています。(MBAは私費)
海外研修や駐在員に選抜されるのは狭き門ですが、再現性高く選ばれる方法があります。
その特徴5つが以下です。
・仕事をきちんとこなす
・発信力がある
・広い社内のネットワーク
・積極的である
・ロジカル思考
・英語ができる
より詳しく解説した記事を置いておくので、ご興味があればご覧ください。
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電機・事務機器メーカーに強い転職エージェント
転職し現職に勤める前に、本記事で紹介した企業で勤めており、海外研修・駐在の両方に選抜されました。
人材の募集は常に変動するため、転職活動をする際は、常に情報が入る情報網を敷くのが鉄板です。
僕がやっているのは2つで、複数の転職エージェントに登録することと、Linkedinでスカウトが来るのを待つことですね。
詳しく知りたい方に向けて、記事も置いておきますね。
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【まとめ】海外研修プログラムに行くなら日立製作所・東芝・富士フィルムがおススメ!
電機・事務機器メーカーまとめ
精密機器メーカーまとめ
電機・事務機器メーカーは海外研修制度が商社に次いでバランスよく充実している一方、精密機器メーカーは技術者育成を目的とした大学・大学院派遣制度がとても充実しています。
中でも、若くして海外に行くため海外研修プログラムを狙うなら、日立製作所・東芝・富士フィルムホールディングス、そしてキヤノンをおススメします。
電機・事務機器メーカーは海外駐在も多いので、ソニーやパイオニア、TKDにパナソニックもお勧めです。
海外研修制度が充実している他業界の記事はこちら
以下の記事で、他業界の海外研修制度をまとめていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
\他業界の海外研修制度をまとめた記事はこちら/
記事は以上です。